2021年3月より大規模改修工事に入った横浜美術館。その工事中の仮囲いで作品を発表する「Wall Project」が3月12日よりスタート。第1弾として村上早の作品18点を「村上早|Stray Child」として紹介する。
横浜美術館では2007年より、将来の活躍が期待される若手アーティストを紹介する小企画展「New Artist Picks」を館内の展示スペースで開催してきた。 今回の「Wall Project」はその特別版として、美術館正面のグランモール公園「美術の広場」に面した仮囲いで、2回にわたり若手アーティストの作品を紹介するものだ。
第1弾の作家に選ばれた村上早は、1992年群馬県生まれ。ポスターカラーを使い、筆で銅版に直接描いた線を腐食させるリフトグランド・エッチングなどの技法で、 自身の記憶やトラウマから生まれたモチーフを描いてきた。犬や馬、鳥や虫などの動物がモチーフの中心になることも特徴で、それらは人間を襲う脅威として描かれるいっぽうで、痛みをわかちあう身近な存在としても登場しているという。
今回は、2015年から2021年までに制作された作品16点と、新作2点の計18 点を仮囲いで紹介。「死と再生」や「人間と動物との関係」といった村上の作品テーマを広く世に問う企画となっている。
なお、横浜美術館は今回の改修工事を経て、2023年度中の再開館を予定している。