KAWSから「ざわつく日本美術」展まで、今週末に見たい展覧会ベスト3

今週スタートした展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。なお緊急事態宣言のため、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

展示風景より、KAWS《WHAT PARTY》(2020)

大規模個展で見るKAWSのストーリー。「KAWS TOKYO FIRST」(森アーツセンターギャラリー

展示風景より

 両目が「✕✕」になったキャラクターで知られ、近年は相次いで美術館での個展を開催しているアーティスト・KAWS。その日本初となる大規模個展「KAWS TOKYO FIRST」が、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーでスタートした(10月11日まで)。

 2001年に渋谷パルコで開催された日本初の個展と同じタイトル「KAWS TOKYO FIRST」を冠した本展。絵画や彫像からプロダクトまでを展示し、コマーシャルアートとファインアート双方の領域を網羅するKAWSの視覚的アプローチに迫る。

 とくに注目したいのは、マイク・ケリーやエド・ルシェなどのアーティストを含むKAWSのプライベート・コレクションの展示。たびたび自身のInstagramに投稿しているようなスタジオの様子を垣間見ることができる。20年来のKAWSの活動の軌跡、そして興味の変遷をたどってみてほしい。

会期:2021年7月16日~10月11日
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52F
電話番号:050-5542-8600 
開館時間:10:00~20:00(7月19日、9月9日~17:00) ※最終入館は閉館の30分前まで。最新情報は公式ウェブサイトを要確認 
休館日:8月5日
料金(平日、日時指定)一般 2500円 / 高校・大学生 2000円 / 小・中学生 900円、(土日祝、日時指定):一般 2800円 / 高校・大学生 2300円 / 小・中学生 1200円

新たな視点からコレクションを紹介。「ざわつく日本美術」(サントリー美術館

展示風景より、《薩摩切子 紅色被筆筒》と《薩摩切子 紅色被栓付瓶》(ともに江戸時代)

 六本木のサントリー美術館で、美術作品を鑑賞するときに感じる「心のざわめき」に着目した展覧会「ざわつく日本美術」が7月14日に開幕した(8月29日まで)。

 本展は、開館60周年を記念した展覧会の第2弾。学芸員だけでなく教育普及とともにつくりあげられ、コレクションから選定した90件以上(展示替えあり)を「うらうらする」「ちょきちょきする」「じろじろする」「ばらばらする」「はこはこする」「ざわざわする」といったキーワードから紹介する。

 例えば「うらうらする」では、重要文化財《色絵五艘船文独楽型鉢》といった作品の裏側を見せる工夫がなされ、「ちょきちょきする」では重要文化財《佐竹本・三十六歌仙絵巻 源順》など、切断によって制作当初の姿から改変された作品を展示。それぞれのディティールや背景を心ゆくまで楽しみたい。

会期:2021年7月14日~8月29日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4(東京ミッドタウン ガレリア3F)
電話番号:03-3479-8600 
開館時間:10:00~18:00(金土、7月21日、22日、8月8日~20:00、8月24日~18:00) ※いずれも入館は閉館30分前まで。 最新情報は公式ウェブサイトを要確認
休館日:火(8月24日は18:00まで開館) 
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下無料

ミューズたちが作品に与えた影響とは。「マン・レイと女性たち」(Bunkamura ザ・ミュージアム

展示風景より

 20世紀を代表する芸術家のひとりであるマン・レイ。彼の人生に登場した恋人やモデル、女優、ダンサー、社交界の貴婦人など、数多くの女性たちにフォーカスした「マン・レイと女性たち」が、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで7月13日に開幕した(9月6日まで)。

 本展は、マン・レイが住んだ土地に対応した「ニューヨーク」「パリ」「ハリウッド」「パリふたたび」の4章で構成。写真だけでなく絵画や彫刻、オブジェなど約260点を総覧する。スポットが当たるのは、マン・レイがパリで出会った、多くの画家のモデルとしても知られるキキ・ド・モンパルナス、マン・レイの助手でありモデルでもあったリー・ミラー、ダンサーのアディ・フィドラン、そしてニューヨークで出会い約10年間をともにしたジュリエット・ブラウナーといった女性たちだ。

 加えて、女優たちのポートレイトや、パリ時代のファッションやトレンドを感じられるドレスやジュエリーも展示。様々な出会いと別れから生まれたマン・レイの世界を知ることができる。

会期:2021年7月13日~9月6日
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 B1F
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00~18:00(金土~21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:7月20日 
料金:一般 1700円 / 大学・高校生 800円 / 中・小学生 500円

編集部

Exhibition Ranking