アメリカ合衆国・ニューヨーク生まれの写真家、テリ・ワイフェンバック(1957~)は、メリーランド大学で絵画を学び、70年代から写真制作に転向。自然をモチーフとした色鮮やかな写真を特徴とし、高い評価を得ている。初の写真集『In Your Dreams』(Nazraeli Press、1997)をはじめ、イタリアで撮影された『Lana』(Nazraeli Press、2002)など、これまでに15冊の写真集を出版している。
パレスチナの押し花帳『Pressed Flowers from the Holy Land』から着想し、代表作のひとつとなった「The Politics of Flowers」シリーズ(2004年)は、03年に最愛の母を亡くしたことをきっかけに制作されたもの。「難しいものごとを理解する手助けとして写真を撮ってきた」と言うワイフェンバックは、紛争の地で生きる人々のことや、他者の死について考えはじめた。
本展は、「The Politics of Flowers」シリーズの約80点と、最新シリーズ「The May Sun」より約25点を中心に展示。また、初の試みとなる映像作品2点も公開され、ワイフェンバックによる待望の美術館での大規模個展となる。