現代の写真表現を紹介する、横浜市民ギャラリーあざみ野の年次展「あざみ野フォト・アニュアル」。その2020年度の企画展「あざみ野フォト・アニュアル とどまってみえるもの」が、1月23日~2月14日に開催される。
コロナ禍で移動が制限され、外界をモチーフとする写真家にも様々な影響があった2020年。写真を学ぶ学生たちも自宅から出ないで撮影することを余儀なくされ、「家のなかで何かを撮れ」という新たな課題が課されたのもその一例といえる。
本展ではこうした状況のなか、現代の写真表現の可能性を拡張する若手作家7名を紹介。2013年に「キヤノン写真新世紀」佳作を受賞した宇田川直寛や、2016年から18年までオランダ・アムステルダムを拠点に活動し活躍の幅を広げてきた川島崇志、インターネット上に存在する画像から作品を生み出してきた吉田志穂、そして木原結花、チバガク、新居上実、平本成海の7名を紹介する。
テクノロジーの進歩によって、独自性を集約することすら不可能な時代に入りつつある写真という表現手段。コロナ禍はそのなかのひとつの契機として、表現者に様々なレベルで影響を与えている。本展では、現代における写真表現の新たな側面を見ることができるだろう。