ペロタン東京が今夏、同ギャラリーが入居する六本木のピラミデビルにオープンしたブックストア&イベントスペース「PERROTIN 106」。ここで、イラストレーターやSF作家、マンガ家として国内外で活躍するタカノ綾の作品展示が1月23日まで行われている。
1990年代より世界各地のギャラリーや美術館にて展示発表を続けるタカノ綾は、現社会を俯瞰しながら、SFやファンタジー、そして未来を感じる独特な世界を構築。至福や理想郷をテーマにアンドロジナスな人物や動物の姿を描いた神話的世界観が漂う作風で、漫画、油絵、立体、デジタルドローイングなど幅広く制作を行っている。
本展で注目したいのは、akaeditionsとのコラボレーションにより制作され、タカノ綾のペインティング作品のイメージがプリントされたアートラグ。ネパールで行われた綿密な制作プロセスを経て、タカノ綾作品の世界観がそのままに新たな魅力を放つシリーズだ。
都市風景やドリーミーな世界を背景に少女たちが描かれた同シリーズには、現代的でありながら未来的や幻想的な空気が漂う。過去と未来が交錯するように、時という概念が絵画のなかで溶けており、人間の内側を描きだしている。
また、インテリア家具でありながらアートピースとしての完成度も誇るアートラグとともに、その制作過程を見ることができるデジタルドローイングや、シルクスクリーンによるプリント作品、カタログも店内で展示販売。期間中には展示作品の入れ替えも行われるので、ぜひ足を運んで体験してほしい。