卓越したテクニックによる描写と、ユーモアあふれる作風で知られるペインター・千葉正也。その個展が、東京オペラシティアートギャラリーで開催される。会期は2021年1月16日~3月21日。
千葉は1980年生まれ、2005年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。現在は東京・八王子エリアを拠点に活動し、武蔵野美術大学、多摩美術大学で後進の指導にあたっている。近年の主な展覧会に「アッセンブリッジ・ナゴヤ」(旧名古屋税関港寮、2019)、「αM 2018『絵と、』vol.4 千葉正也」(GalleryαM、2018)などがある。
千葉は、紙粘土や木片で制作した人型のオブジェを日用品とともに周到に配置した、仮設の風景をつくることから絵画制作をスタート。さらに、完成した作品を自作の簡素な木製スタンドに置いたり、一定の時間ごとに入れ替えたりすることであらためて現実の空間に展開し、絵画と彫刻の境界を渾然一体化させる。
また、自身の顔を舞台女優やテコンドーの選手などの顔に描く「自画像」シリーズなど、絵画にとどまらず、写真、映像、インスタレーション、サウンド・アート、パフォーマンス、資料展示など様々な手法を用いた制作も行っている。
古今東西の絵画表現の達成や成果を誠実に継承しつつ、現代アートの枠組みを絵画というメディアを通じて揺さぶり動かすことを試みる千葉。本展では、その多彩でユニークなアプローチを見ることができるだろう。