野田秀樹作・演出の『赤鬼』が期間限定で世界同時配信。「未知の存在」に対する差別や偏見がテーマ

コロナ禍による休館から劇場が再開して間もない今年の夏、感染症対策を周到に行ったうえで上演された野田秀樹の名作『赤鬼』。「未知の存在」に対する差別や偏見を描いた本作が、期間限定で世界同時配信されている。

野田秀樹作・演出『赤鬼』Aチームによる上演(2020、東京芸術劇場シアターイースト) 撮影=篠山紀信

 演出家の野田秀樹が作・演出を手がけた『赤鬼』(2020)が、期間限定で世界同時配信される。いまの私たちが直面している「未知の存在」に対する差別や偏見をテーマにした作品だ。配信期間は11月13日〜30日。

 本作は、コロナ禍による東京芸術劇場の休館から劇場が再開して間もない今年の夏、客席を半数に減らし、また客席と舞台の間に飛沫防止の透明の仕切りを垂らすなど、感染症対策を周到に行ったうえで上演された。

 その際にビニール幕のなかで熱演を繰り広げたのは、かねてより野田とワークショップを重ねてきた「東京演劇道場」の役者陣。4組のキャストによるリレー上演だったため、各組を見比べる熱心な観客もいたという。

 今回の無料配信は、うち1組(A team)の舞台映像に英語字幕を付け、全世界に向けて届けられる。目には見えないものとともに生きる私たちに、深い洞察を与える機会となるだろう。

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