1993年に劇作家・演出家の野田秀樹が立ち上げ、劇中の言葉遊びや実験的な演出で知られる「野田地図(NODA・MAP)」。その第22回公演の演目が『贋作 桜の森の満開の下』に決定、4月5日に制作発表記者会見が開かれた。
小説家・坂口安吾の小説『桜の森の満開の下』と『夜長姫と耳男』がベースの『贋作 桜の森の満開の下』は、野田がかつて主宰した劇団「夢の遊眠社」によって89年に初演された作品。その後92年、2001年に再演、2017年には歌舞伎化され、NODA・MAPでの上演は今回が初となる。
2018年から19年にかけ、フランス国内で日本の芸術文化を展開する「ジャポニスム 2018:響きあう魂」の公式企画でもある本作。野田は「考えられる最高のキャストとスタッフが実現した。日本のお芝居の面白さを見せたい」と意気込む。
「再演があるなら見てみたかった。自分が関わることになってうれしい」と語ったのは、耳男(みみお)役の妻夫木聡。待望の再演となる本作に関わる喜びと、これまで野田、堤真一、中村勘九郎らが演じてきた耳男という役柄へのプレッシャーも示した。
そのほか本作には深津絵里、古田新太、門脇麦、秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、村岡希美、池田成志、銀粉蝶らが参加。天海祐希は、宝塚歌劇団退団後初めて男役に挑戦する。
野田自ら「古典」と言い表す『贋作 桜の森の満開の下』。演出では今回、日本特有の「見立て」を使った新たな演出を予定していることも明かされた。