「新しい生活」から自由への逃走。画家・榎本耕一が個展で新作を発表

画家・榎本耕一の新作個展「NEW LIFE!!」が、東京・六本木のTARO NASUで開催されている。会期は11月14日まで。

榎本耕一 NIGHT DRIVE 日常は続く!愚かに! 2020 (C)Koichi Enomoto Courtesy of TARO NASU

 画家・榎本耕一の個展「NEW LIFE!!」が、東京・六本木のTARO NASUで開催されている。会期は11月14日まで。

 榎本は1977年大阪府生まれ。現在は、神奈川県に活動の拠点を置きながら、国内外で作品の発表を行っている。近年の主な展覧会に「六本木クロッシング2019展 : つないでみる」(森美術館、東京、2019)、「ストーン」(TARO NASU、東京、2017)、「超能力日本」(HAPS、京都、2015)、「絵画の在りか」(東京オペラシティアートギャラリー、2014)などがある。

 「NEW LIFE!!」と題された本展のテーマは「自由への逃走」。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって変貌する街、東京が作品の舞台となっている。

 現在進行形で起きている世界の変化を、イメージの力でとらえようと模索する榎本。新作のタイトルには、「夜の街」「日常」などコロナ禍によって特別な意味を持つようになった言葉も散見され、つねに自らを取り巻く社会状況に敏感であり続ける榎本らしい展覧会コンセプトとなっている。本展の開催にあたって、榎本は以下のコメントを残す。

「政治家が作った『新しい生活』という言葉は、新しいパソコン、新しい芸術というような、従来なら夢のある『新しい』という言葉の意味を変えました。しかしそれは革命のように鮮やかに変えたというよりは、半ば押し付けに近い形で。本来なにかをきっかけに、または徐々に生まれるはずだった『新しい生活』とは、どのようなものだったのか、また、今我々が送っている『新しい生活』下において、どんな絵が可能なのかを念頭に全て描きました。また、『新しい』という概念や社会の進み行きは、これ以上今までのように続けることができるのか。これが今回の作品を作るに当たって考えていたことです」。

編集部

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