「まちに創造性をもたらす、知と感性のプラットフォーム」を基本理念に開館した群馬県の太田市美術館・図書館は、今年で開館3周年。これを記念する展覧会「HOME/TOWN」が、新型コロナウイルスの影響による延期を経て2021年2月11日~5月30日に開催される。
出展作家は、オブジェを用いたセルフポートレイト作品で知られる美術家・片山真理、広告などの撮影を行いながら地方都市をテーマとした作品を手がける写真家・吉江淳、そして1903年太田に生まれ、小学校教師として勤めながら詩や俳句を発表した清水房之丞。3人はいずれも太田にゆかりを持ち、同地の土地・歴史、生活を真摯に見つめながら作品を生み出してきた。
北には渡良瀬川、南には利根川が流れ、豊かな川のあいだに挟まれるようにして人々が生活を営んできた太田。太田という地名が「豊かな田んぼ」を意味するという一説から土や大地に眼差しを向けた同館の開館記念展「未来への狼火」に続き、本展では川を起点に、3名の表現から改めて太田の風土を見つめ直す。ディレクションは小金沢智、図録や清水房之丞作品のグラフィックはデザイナー・平野篤史が手がける。
加えて現在は、展覧会特設ページでプレオンラインプロジェクト「わたしのホームタウン」を開催中。移動自粛が日常化しているいまだからこそ「ホームタウン」(故郷、ふるさと)について考える場として、展覧会に先立って開かれている。
サイトでは、関係者メッセージのほか、太田市在住の出展作家・吉江淳が日々撮影する写真や、淺井裕介、最果タヒ、蓮沼執太など、これまで同館の展覧会に参加した作家たち8名によるエッセイを今後月2回のペースで掲載予定。SNSのハッシュタグ「#わたしのホームタウン」を利用した参加型のイベントも行われているため、あわせてチェックしてほしい。