近代日本画壇を代表する横山大観の作品をはじめ、日本画や陶芸、童画、木彫、漆芸など総数2000点のコレクションを抱える島根県の足立美術館。画家たちが伝統を踏まえつつも西洋画の表現を取り入れるなど、日本画壇全体が活気にあふれた明治から昭和にかけての日本画作品を多く取り揃えている。
2020年秋で開館50周年を迎えることを記念して、本年度1年間は、節目の年にふさわしい特別展を企画。その第3弾として秋季特別展「日本画ベストアーティスト10 とっておきの名画ずらり」が開催されている(~11月30日)。
本展は、同館が誇る近代日本画コレクションから、明治から昭和にかけての日本画壇を代表する10人の巨匠──横山大観、竹内栖鳳、川合玉堂、菱田春草、上村松園、橋本関雪、安田靫彦、川端龍子、榊原紫峰、伊東深水──の名画61点を紹介する展覧会だ。横山大観の《紅葉》(1931)や、菱田春草の《猫梅》(1906)、安田靫彦の《王昭君》(1947)など、各作家の代表作ばかりが一堂に会する。
日本画は、作品保護のため展示期間に制限があり、代表作ばかりを一度に展示することはほとんどない。本展は、特別に巨匠たちの代表作を一堂に展示する貴重な機会となる。