昨年からACC(アジアン・カルチュラル・カウンシル)グランティとしてニューヨークに滞在していたアーティスト・磯村暖。その帰国後初となる個展「んがんたんぱ」が、銀座 蔦屋書店中央吹き抜けのイベントスペース「GINZA ATRIUM」で開催される。会期は8月25日〜9月6日。
これまでLGBTQや移民、宗教などをキーワードに、油彩画からアクリル画、セメントの彫刻、陶器、ヴィデオ作品まで様々な素材と技法を用いて制作することで知られている磯村。2016年に東京藝術大学を卒業後、ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校に参加し最終講評で金賞を受賞。17年より東京やロンドンで個展を開催し、今年からはアーティストランスペース「UGO」を主宰するなど、ますます活躍が注目されている。
磯村は、土着信仰や宗教美術の綿密なリサーチにもとづいて作品を制作。一見カオティックに見えるその作品世界には、仏教などが原初的に持つ死生観と、ジェンダーやグローバリゼーションといった現代の社会的軋みを感性的に融合させることで、宗教美術の習合的ダイナミズムが生みだされている。
本展では、新作の展示に加えて版画やオリジナルのTシャツも販売。なお、神宮前のEUKARYOTEでも個展「OFF THE SIDELINE」が開催(8月22日~9月13日)。同展では、磯村自身の表現として新たな境地となる彫刻・インスタレーションを展開する。