今年1月から現代美術家とともに、1階ウィンドウギャラリーの制作を行っている資生堂の総合美容施設「SHISEIDO THE STORE」。これまで川俣正、東松照明、崔在銀が作品展示を行ってきたこの場所で新たな展示がスタートした(〜10月13日まで)。
今回作品展示を行うのは、音や光、振動など物理世界を構成する微細な要素を表現素材とし、それらが引き起こす現象とその知覚、運動と要素の発生、芸術と自然科学との関係などを実証論的なアプローチで表現する作家・志水児王だ。
展示では、日本語、英語、中国語、ロシア語、アラビア語、ヒンドゥー語、スペイン語、ラテン語の8つの言語で設定した2つのキーワードがツイートされた瞬間に、中央通りに面した2つのウィンドウでそれぞれ光を放ち、世界規模の思考の動きを示すビッグデータが光の明滅となって顕在化する。
志水が選んだ2つのキーワードは「太陽」と「月」。ともに、地球の形成や人類の進化と深い関係にあり、我々がどのような局面を迎えようと常に光を与えてくれる存在だ。
新型コロナウイルスで世界が大きく変わる現在においても、変わることなく存在し続ける「太陽」と「月」。世界のどこかで誰かが様々な思いを巡らせ、その言葉をツイートした瞬間を、閃く光として体験することができる。