神奈川・箱根のポーラ美術館で6月1日より始まったテーマ展示「LÉGER&ART DÉCO(レジェ アンド アール・デコ) 100年前の未来」。同展にて新収蔵作品であるフェルナン・レジェ《鏡を持つ女性》(1920)が初公開された。会期は6月1日~11月3日。
レジェは1881年、フランス・アルジャンタン生まれ。パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックらと共に20世紀キュビスムの代表的な作家とされる。パリで建築の製図工として働きながら絵画を学び、機械に造形的な美を見出す「機械の美学」を基軸に、急激に産業化した同時代の風景を、製図や工業製品の生産技術を意識した形式で描いた。
同館新収蔵作品となった《鏡を持つ女性》は、多くの色を使って描かれた幾何学的なかたちが複雑に組み合わされた絵画作品で、技術革新や機械文明に対する礼賛にあふれているとされる同館はすでにレジェの版画作品を所蔵しているが、油彩作品のコレクションは初となる。
「LÉGER&ART DÉCO 100年前の未来」では、新収蔵作品とともにレジェの短編映画『バレエ・メカニック』や版画作品も紹介。さらに、レジェの作品テーマである「鏡を見る女性」に関連して、同時代にヨーロッパを席巻したアール・デコの装飾様式の手鏡や化粧道具のほか、この時期に活躍した工芸作家ルネ・ラリックのガラス香水瓶も紹介する。