ファッションブランドDIORとコラボレーションするなど、世界的な注目を集めるダニエル・アーシャム。今年3月から5月にかけては、新たにポケモンとのコラボレーションプロジェクト「Daniel Arsham × Pokémon」を始動させ、アート・バーゼル香港や渋谷のPARCO MUSEUM TOKYO、NANZUKA、六本木ヒルズでの個展やパブリック・アートの展示が予定していたが、いずれも中止もしくは延期となった。
そんなアーシャムの新作個展「Relics of Kanto Through Time」が、東京・渋谷のNANZUKAで開催される(6月9日~7月4日)。本展は、「Daniel Arsham × Pokémon」の一環で、すでに販売を開始しているUNIQLO UTとのコレクション発売に続く第2弾の企画展となる。
つねに新しい素材の探求と実験を繰り返しながら、非現実を生み出すための装置を探し続けるアーシャム。こうした探求からは、建築プロジェクトユニット「スナーキテクチャー」の共同主宰者としても活動するアーシャムの建築と環境への関心が見て取れる。
黄鉄鉱や火山灰、ガラス、黒曜石、水晶など様々な素材でつくられたアーシャムの立体作品は、見る者を時間の旅へと誘う。時を超えて変化を遂げた建築物やカメラ、玩具、車などを模した作品から、現在身の回りに存在するあらゆるものが化石と化している1万年後の未来を思い起こすだろう。
本展でアーシャムは、様々なポケモンを作品化。人々は、化石化によって内部からクリスタルの結晶が見えるピカチュウ像を見ることで、日頃ゲームやアニメーションなどの2次元の世界を通じて親しんでいる存在を、自身と同じ3次元の世界で認識する。またいずれの作品も化石化に必要な時間を想像させるため、時間の概念を携えた4次元の文脈も持つ。
本展では、ポケモンロゴやポケモンカードゲームを引用した作品のほか、ピカチュウ、ヒトカゲ、ゼニガメ、カビゴン、イーブイなど馴染み深い様々なポケモンの作品が展示される予定。西暦3020年に発掘した『ポケットモンスター 赤・緑』の世界を表現した展覧会だ。