京都の寺社を舞台とした音楽プロジェクト。「SOUND TRIP」第1弾はコムアイ × オオルタイチらが参加

京都の寺社を舞台とした音楽プロジェクト「SOUND TRIP」が、2月6日よりスタートした。第1弾は、コムアイ × オオルタイチやKyokaなど、実験・電子音楽の第一線で活躍するアーティストたちが参加。壬生寺・貴船神社・三千院を舞台に、各アーティストが寺社に流れる様々な音を収録し、それらを用いて新しい音楽体験を制作・提供するという。

コムアイ

 寺や神社などの文化財や、美術館、芸術祭などのスポットに訪れた際、まるで美術館の音声ガイドのように、そこに根付く「物語のような音楽」が聴けるオーディオガイドサービス 「ON THE TRIP」がスタートした。本プロジェクトは、京都の寺社と提携し、各場所でアーティストを組み合わせ、その場だけしか感じ得ない音楽の体験を生み出すというものだ。

 第1弾は、壬生寺・貴船神社・三千院を会場としてピックアップ。それぞれの寺社にアーティストが割り振られ、各アーティストは、その寺社に流れる様々な音を収録し、それらを用いながら、その場でしか聴くことのできない音楽体験を制作・提供する。参拝者は、指定の場所で体験料300円を支払い、その音楽を体験することができる。

Kyoka

 ベルリンを拠点に活動するKyokaは、水が生まれる地である「壬生寺(水生寺)」の地下より湧き出る水の音とお囃子を、電子音楽と組み合わせた作品を制作。相対的要素を持ち合わせた多彩な音楽アプローチを行う。

 貴船神社では、コムアイ(水曜日のカンパネラ)とオオルタイチがタッグを組み、貴船神社の境内で収録した水の音、神社に祀られる竜神からインスピレーションを受けて制作した作品を発表する。

Yosi Horikawa

 三千院は、フィールドレコーディングの手法を用いるYosi Horikawaが担当。三千院が発祥の声明を収録したほか、自然豊かな大原の山の音、鳥の鳴き声なども採集し、これらを用いて極楽浄土のような音を生み出した。

 京都の寺社を出発点に、今後は日本全国へ拡大していく予定の本プロジェクト。当時最先端で活躍していた画家の狩野永徳や長谷川等伯の作品が寺社で展示されていたという史実に倣って、寺社を舞台に新たな音の体験を世界中のアーティストとともに制作していく予定だという。その動向を追いたい。

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