カナダ・モントリオールで2000年にスタートしたデジタルアートと電子音楽のフェスティバル「MUTEK(ミューテック)」を発端に、16年に立ち上がった「MUTEK.JP」。昨年は、昼と夜でのべ7000名を超える来場者を記録したこのフェスティバルが今年も東京で開催される。会場となるのはWWW、WWW X、日本科学未来館、UNITの4会場だ。
今年の見どころに、ジェフ・ミルズとマイク・バンクスのプロジェクトX-102による「Discovers the Rings of Saturn」のワールドプレミアや、ライゾマティクスリサーチの真鍋大度と堀井哲史によるオーディオビジュアルパフォーマンス『phaenomena』の国内初披露。そしてトム・ヨークの専属ビジュアルアーティストのTarik BarriとPaul Jebanasamによるスペシャルパフォーマンスなどがある。
また、10月14日まで21_21 DESIGN SIGHTにて開催中の「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」で、展覧会の軸となる音楽を担当するコーネリアスの出演も決定。そして、巨大な3面スクリーンと3Dホログラムを活用し、初音ミクが舞台に立つパフォーマンス&インスタレーションを行う、海外版初音ミクのアートプロジェクト「Still Be Here ft.Hatsune Miku」が日本初公開される。
さらに、昨年のMUTEK.JPや、京都の清水寺でのライブをはじめ、世界各国のメディア・アートイベントやフェスティバルでパフォーマンスを披露し、「メディアアート界の新星」と絶賛の評価を得る、イラストレーターのNoemi Schipferと建築家&ミュージシャン・Takami Nakamotoによるアーティストユニット「NONOTAK」が登場。
また、注目したいのが昨年好評を博した日本科学未来館のドームシアターコンテンツだ。今年は、アーティストも増えてさらに充実。振付家、ダンサーでありながら、サウンド・映像・照明デザインも手がけ、オーストリアのリンツで開催される世界的なメディア・アートの祭典、アルス・エレクトロニカの受賞やMUTEK Montrealに出演したHiroaki Umeda(梅田宏明)が参加する。
メディア・アーティストの山本信一と音楽家の大野哲二(Intercity-Express)はオーディオビジュアル作品《Noesis》を発表する。《Noesis》は、自然や宇宙の法則性などにアートの視点でアプローチし、空間的に構築した「映像」を、デバイスにあわせてアウトプット。「無に包まれる」「時間の堆積」「地球の中からの風景」などのテーマで新しい視点を体感できる30分の作品だ。本作は、ドーム3Dバージョンと、日本科学未来館の地球ディスプレイ「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」バージョンが同日に発表される。
総勢約50組が多彩な作品、プログラムを展開するこのイベント。詳細は公式ウェブサイトを確認してほしい。