2020.1.29

参加作家は平山昌尚、やんツー、澤田華ら5組。鑑賞者を楽観へ誘う展覧会が「BnA Alter Museum」で開催へ

人々は、いかにして未来を肯定し、楽観して生きていけるだろうか? この問いを出発点に、アート作品、そして展覧会とその内外にあるシステムを通して、鑑賞者を楽観へと誘う展覧会「楽観のテクニック」が、京都のBnA Alter Museumで開催される。参加作家は、平山昌尚、やんツー、澤田華、木村翔馬、ペフの5組。会期は4月18日〜11月21日(宿泊者に限り、3月20日より一部作品の限定公開を予定)。

やんツー Modern Spectator 2018 撮影=萩原楽太郎
前へ
次へ

 2019年、京都に誕生したアートに特化したホテル「BnA Alter Museum」。同ホテルは、アーティストが手がけた31部屋に加えて、縦型のギャラリースペースやミュージアムショップ、バー&ラウンジなども併設されている。

 今回、そのうちの階段型ギャラリーSCGを舞台に、特別企画展「楽観のテクニック」が開催される。参加するのは、抽象的でミニマルなドローイングを手がける平山昌尚、デジタルメディアによって人間の身体性をあぶり出し、表現の主体性を問うやんツー、様々なメディアを用いて、写真の特性に基づいた制作を行う澤田華、VRと絵画を往還するような作品を手がける木村翔馬、新しい価値観やクリエーションの発生をサポートする大阪のコミュニティスペース「ペフ」の5組だ。会期は4月18日〜11月21日(宿泊者に限り、3月20日より一部作品の限定公開を予定)。

平山昌尚 壁画 2018 制作場所=Anteroom Kyoto

 情報への過剰接続によるオーバーヒートと、それに次ぐ切断による再調整がループする現代。本展では、肯定できる未来のための楽観的思考が、そのループから偶然に抜け出して脇道に逸れた先にあるとする。人々はいかにして未来を肯定し、楽観して生きていけるだろうか? 本展は、アート作品、そして展覧会とその内外にあるシステムを通して、鑑賞者を楽観へと誘うことを試みるもの。

 なお同ホテルは、宿泊費の一部がアーティストに還元されるシステムを導入したことでも注目を集めているが、今回の展覧会チケットもまた、展覧会を観覧した翌日から1週間以内に限り、本人以外が無料チケットとして利用可能というから面白い。そのチケットも、またさらに別の人に譲渡されれば、同様に無料チケットとなる。