東京・神楽坂のMaki Fine Artsが、同ギャラリーの所属作家4名によるグループ展「Winter Show」を開催する。参加作家は、アレックス・ダッジ、加納俊輔、高石晃、麻生晋佑。会期は1月25日〜2月23日。
ニューヨークを拠点とするダッジは、レーザーカットステンシルを用いて、絵具をキャンバスに押し付けるという独自のプロセスを踏む画家だ。近年、「情報のトラウマ」(2019、Maki Fine Arts)、「Whisper in My Ear and Tell Me Softly」(2018、Klaus von Nichtssagend Gallery、ニューヨーク)と個展を開催したほか、ホイットニー美術館での展覧会「Programmed: Rules,Codes, and Choreographies in Art, 1965-2018」(2018〜19)にも参加するなど、国内外問わず精力的に活動を行っている。
麻生もまた、ニューヨークを拠点に、日常生活のなかで収集した素材を使ったコラージュの制作や、段ボールやパッケージをはがきサイズに切ったポストカードを1枚25セントで販売する SAPCプロジェクトなどを続けてきた。これらの活動を通して、鑑賞者に独自の解釈や判断を促す表現方法を模索し、鑑賞者の主体性と作品解釈の多様性を認めている。2018年には、美術家であり美術批評家としても活動する白川昌生のキュレーションによる展覧会「メルド彫刻の先の先」(Maki Fine Arts)に参加した。
加納は、写真を用いた複雑な階層を意識させる手法により、「見る」行為を問い直す作品を手がける。近年、「ピンク・シャドウ」(2018、Maki Fine Arts)、「コンストラクション断面」(2016、Maki Fine Arts)、「第8回 shiseido art egg『加納俊輔 | ジェンガと噴水』」(2014、資生堂ギャラリー)と連続的に個展を開催。現在は、迫鉄平、上田良とのアーティストユニット「THE COPY TRAVELERS」として、東京都現代美術館で開催中の展覧会「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」に参加中だ(〜2月16日)。
高石は、遠近法の操作や支持体の切断、表層の掘削などの手法でイメージと物質の境界を横断する作品を制作するアーティスト。主な個展に「下降庭園」(2019、clinic、東京)、「三つの体、約百八十兆の細胞」(2017、Maki Fine Arts)、個展「地下水脈」(2016、Maki Fine Arts)などがある。近年はキュレーションなども手がけるなど、活動の幅を広げてきた。
本展では、この4名の新作および近作を見ることができる。国内外で注目を集めるアーティストたちの競演に期待したい。