NEWS / EXHIBITION - 2018.2.27

80年代生まれの作家らによるキュレーションで探る、藤井博がつくり出した「穴」

「もの」による認識や知覚を撹乱させる独自のスタンスで活動する作家・藤井博の個展がSpace23℃で開催される。80年代生まれの美術作家の石井友人、高石晃らによるキュレーションで展示。会期は2018年3月10日〜4月7日。

藤井博 無題 1969 立川/2018 等々力 生肉、ロープ、ビニール袋、鏡、床、その他

 1942年に岐阜県で生まれた藤井博は、70年より作家活動を始め、ギャラリー内に生肉と鉛を並置する作品《波動1》や、「スペース戸塚’70」で榎倉康二、高山登、羽生真らとともに行った作品・ハプニングを通して、「もの」による認識や知覚を撹乱させる作家としての独自のスタンスを築いてきた。

藤井博 波動A 1970 地、生肉(記録写真)

 本展は美術作家の石井友人と高石晃によるキュレーションで構成される。2人は2015年に同ギャラリーで開催された「わたしの穴 美術の穴」において「スペース戸塚’70」での展示、なかでも、同展で藤井たちが庭に掘った「穴」に関心を持ち、その表現を検証した。

 本展のキュレーションでは、その検証を踏まえ、藤井による「穴」が、三島由紀夫の自決や大阪万博の開催等で知られる「70年」という時代の転換点が負った「裂傷」ともとらえられないかと思索。「裂傷」を認識する契機としての「瘡蓋(かさぶた)」をキーワードに加え、藤井の作品を時代を追って構成する。

藤井博 ためられる時間・空間質 1990 合板に塗料、アクリル絵具、布、釘 

 会場には、藤井の最初期作《無題》(1969)の再演作品や「スペース戸塚’70」で発表した《波動A》の記録写真をはじめとする70〜90年代の作品、記録資料が並ぶ。その作品に頻繁に現れる「生肉」やガーゼのような「布」、切り刻むような行為といった表現が、「裂傷」や「瘡蓋」といったキュレーションのキーワードに呼応するように展開され、藤井の作品が社会による忘却と事後の認識化の間で揺れ動くことを示唆する。

 

藤井博 肉・街・路 1973 パフォーマンス映像