宮永愛子の個展「漕法 はじまりの景色」が、東京・恵比寿のNADiff Galleryで開催されている。会期は12月15日まで。
これまで宮永は、ナフタリンの昇華や、川や海の水に含まれる塩の析出といった物質の変容を作品の要素として取り入れながら変化を表現してきた。2019年8月には、7年ぶりとなる作品集『宮永愛子 漕法』(青幻舎)を刊行。本書は、瀬戸内国際芸術祭2019の参加展覧会として高松市美術館で開催された個展「宮永愛子:漕法」の出展作品と、11年から18年までの発表作品を収録したものだ。
本書の刊行記念展として開催される本展では、宮永が高松市美術館での個展にむけて瀬戸内の地域を巡った際の記録と、ナフタリンを素材とした代表的なシリーズを紹介。高松市美術館での個展の続きを体感することができる。
また会期中には、『宮永愛子 漕法』の装丁とデザインを担当した、ブックデザイナー・名久井直子とのトークイベントに加え、『宮永愛子 漕法』の刊行と同時期に初の随筆集『抽斗のなかの海』(中央公論新社、2019)を上梓した、宮永と親交の深い小説家・朝吹真理子とのトークイベントも行われる。