パリに活動拠点におくフィリップ・パレーノ。その美術館個展が、東京・神宮前のワタリウム美術館で開催される。会期は11月2日〜2020年3月22日。
フィリップ・パレーノは1964年アルジェリア生まれ、パリ在住のアーティスト。展覧会をひとつのメディアとしてとらえ、展示の構築を制作のプロセスの中心に据え鑑賞体験の再定義を行う。
2016年にロンドンのテートモダン・タービンホールで行われたヒュンダイ・コミッションに選出されたほか、13年にはパリのパレ・ド・トーキョーにて2万2000平米のスペースを使った大規模個展を開催。ヴェネチア・ビエンナーレなど国際展にも多数参加してきた。
そんなパレーノの、日本初の美術館個展となる本展「オブジェが語りはじめること」では、代表作である白熱光が点滅する「マーキー」シリーズや、無数の吹き出しの形をした風船で天井を覆う「吹き出し」シリーズなどを展示。さらに、1995年にワタリウム美術館とキュレーター、ヤン・フートがコラボレーションした展覧会「水の波紋展」で制作した《雪だるま》を四半世紀ぶりに再現する。
自らの展覧会を一連の出来事が展開する「台本のある空間」と表現するパレーノ。彼の生み出す没入的で唯一無二の感覚をぜひ体験したい。