ホワイトキューブを問い直す。菅亮平の新作発表展「Cube with eye」がswich pointで開催。

美術館やギャラリーの展示空間そのものを再考する作家・菅亮平。その新作個展「Cube with eye」が、9月28日までswitch pointにて開催中。

 

菅亮平 Plan for Cube with Eye 2019 2019 594.1mm×420.2mm 制作協力:グラスバウハーンジャパン

 美術館やギャラリーの展示空間自体を題材とした写真作品、映像作品で知られる菅亮平が新作個展「Cube with eye」を東京・国分寺のswitch pointにて開催。会期は9月12日~9月28日。

 菅は1983年愛媛県生まれ。現在はミュンヘンと東京を拠点とする作家。近年の主な受賞歴に「野村美術賞」(2015)、「第一回枕崎国際芸術賞展 大賞」(2016)、「デビュタント・スポンサーシップ 」(2019)、主な個展に「As you see it」(ヤマモト・ケイコ・ロシェックス、ロンドン、2019)、「In the Walls」(資生堂ギャラリー、東京、2017)などがあり、国内外で精力的な活動を行なっている。

 本展で発表される新作《Cube with eye》では、美術館やギャラリーの展示空間として20世紀以降に普及した白い立方体の内側のような空間構造、いわゆる「ホワイトキューブ」の原型かつその理想を創出。ドイツの展示ケースメーカー「グラスバウハーン社」の協力のもと、キューブ状の金属製装置を制作し、温度・湿度の固定や窒素の充填により、キューブ内部に可能な限り作品を劣化させない環境を構築。その様子を内部にある監視カメラを用いて観測する。本作の制作過程のスケッチや関連資料なども合わせて展示され、作家の実験室のような展示空間をつくり出すという。

 国内では2年ぶりの個展となる本展。会期中は木下史青(東京国立博物館学芸企画部上席研究員)と新藤淳(国立西洋美術館 主任研究員)を招いてのトークイベントも開催される。美術作品を鑑賞するための空間とは何か、という問いについて、菅が導き出した新たな展開を目の当たりにすることができるだろう。

編集部

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