パブロ・ピカソの代表作として知られる大作《ゲルニカ》。これとほぼ同寸で織られたタピスリ(タペストリー)を中心に、同作にまつわる様々な側面を検証する展覧会「ピカソ展 ゲルニカ[タピスリ]をめぐって」が、群馬県立館林美術館で開催される。会期は10月5日~12月8日。
ピカソは1937年、祖国スペインの内戦で起きた無差別爆撃への衝撃から《ゲルニカ》を制作。同作は反ファシズムのメッセージを訴えるいっぽう、ピカソの革新的なキュビスムの手法やモチーフの数々が多様な解釈を生む、開かれた作品でもある。
戦後南仏で版画・陶芸制作を行っていたピカソは、信頼のおける織り師と出会い、絵画作品に基づくタピスリ制作を託した。本展では《ゲルニカ》のタピスリを軸に、その背景や職人の働きについても紹介する。加えて、動物をモチーフとした版画や陶芸作品も並ぶ本展。ピカソの芸術について理解を深める絶好の機会と言えるだろう。