EXHIBITIONS

みつめる -見ることの不思議と向き合う作家たち-

伊庭靖子 Untitled 1998 群馬県立館林美術館蔵

児玉靖枝 左から《深韻-雨 三》《深韻-雨 四》《深韻-雨 二》 2010 神奈川県立近代美術館蔵 撮影=木奥惠三

浅見貴子 梅に楓図 2009 東京国立近代美術館蔵

津上みゆき 「View-13 thoughts, 2010-12」より《View at 1:23 p.m., 10 Dec., 10-11》 2011 個人蔵 撮影=長塚秀人(Hideto Nagatsuka) Courtesy of ANOMALY

日高理恵子 空との距離Ⅱ 2002 新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵

 見ること、感じることの神秘を問い、これらを絵画表現によって深め続ける7人の作家に注目した展覧会。

 出展作家は、樹木のある空間を見つめ、紙の裏側から墨を滲ませてその濃淡により描画し、水墨画の伝統から新たな可能性を引き出す浅見貴子。柔らかい布、硬質な磁器など日常的なモチーフを取り巻く光に注目し、ものの存在を質感でとらえ、描き出す伊庭靖子。気配や湿り気、植物の香りなど、何気ない出来事を五感で受け止めてドローイングへとつなげる金田実生。樹木や風景を描画し、その上を絵具で薄く覆った画面のレイヤーを通じて、イリュージョンと物質感を往還する児玉靖枝。

 そして、あるとき、ある場所の光や風をはらむ海や空や街路の情景を、かけがえのないものとしてスケッチし、線とかたちと色相の響き合いへと置換する津上みゆき。樹々のあいだに覗く空と樹木の複雑な構造を通して、画面上に生じる「空間」の不思議を問う日高理恵子。天空や水中など、大気や水に満たされた大きな広がりを連想させる幻想的な作品世界を、繊細かつ深遠な色調によってつくり出す水村綾子。

 本展では、自らを取り巻くものを「見る」こと、そして感じることの不思議を追求してきた、7名の独自の表現を紹介する。