モダニズムのパイオニアとして建築、デザイン、写真など様々な分野に衝撃を与えたバウハウス。その創設から100年を記念し、渋谷のユーロスペースを皮切りに「バウハウス100年映画祭」が開催される。
バウハウスは1919年、第1時世界大戦後のドイツに誕生した学校。芸術と技術の新たな統合を目指し、建築家のヴァルター・グロピウスによって創設された。
独自の教育システムをつくり上げ、ヨゼフ・アルバースやマルセル・ブロイヤーなどの才能を生み出したバウハウスだったが、ナチスの迫害を受けわずか14年で閉校。本映画祭はそんなバウハウスの活動の軌跡を、選りすぐりのドキュメンタリー作品で紐解く。
上映は4プログラム・計6作品で構成。「バウハウス最後の巨匠」とも呼ばれ、彫刻や建築など幅広い分野で活躍したマックス・ビルの激動の生涯を追う『マックス・ビルー絶対的な視点』や、じつは男性優位だったバウハウスで、多大な成果を残したにも関わらず影の存在となった女性たちに迫る『バウハウスの女性たち』、教室や時間割のないスウェーデンの学校、南米スラム街の住環境改善など現代に生きるバウハウスの精神を映し出す『バウハウス・スピリット』といった作品がラインナップされている。
いまなお人々を惹きつけてやまないバウハウスの伝説的な活動。今回の上映は、当時の空気感や知られざる歴史を垣間見る絶好の機会と言えるだろう。