「えひめさんさん物語」とは、愛媛県東部初の地域振興イベントとして今年からスタートしたアートフェスティバル。新居浜市、西条市、四国中央市の3市を舞台に、地域の産業資産をアートやアクティビティと融合させたこの芸術祭の会期は、5月から11月にかけての約半年間。5月、7月、8月、9月、10月、11月を6つの物語に見立て、それぞれの月で異なるプログラムを展開していく。
5月には、「ものづくり物語 さんさん都工場芸術祭」として高橋匡太による《工場のおしばい》をはじめとした様々なプログラムが開催された。そして夏休みあたる8月、「第3話」として「水の都の夏まつり」が行われる。
今回の舞台は、旧西条藩陣屋跡のお堀と、その周辺。旧西条藩陣屋跡は、西条藩主・一柳家の陣屋として1640年頃に築かれたもので、現在も大手門、石垣、堀、北御門などが残っている。
ここを作品に変えるのは、木村崇人だ。木村はこれまで越後妻有アートトリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭、あいちトリエンナーレなど様々な芸術祭に参加。「地球と遊ぶ」をコンセプトに、体験型の作品を数々生み出してきた。
「水に浮くまち」アートプロジェクトと名付けられた今回、木村はお堀の水面下にステージを設置。参加者は、鏡のような水面に映り込む大空を歩き、水温を肌で感じることができるという。また水面では谷川俊太郎による詩のインスタレーションも展覧される。
加えて、谷川の詩の朗読音声を水空を観覧するための小屋=劇場で聞ける「光の劇場」も実施。真夏の愛媛で水の世界を体験してみてはいかがだろうか。