「ピアノの詩人」と呼ばれるポーランド出身の作曲家、フレデリク・ショパン(1810~49)。繊細なピアノ曲を多く作曲し、時代を問わず多くの人の心を惹きつけてきた。
その音楽と生涯に焦点を当て、生誕から約200年にわたるショパン像を紹介する展覧会「ショパン―200年の肖像」が兵庫県立美術館を皮切りに開催される。本展では、フリデリク・ショパン博物館やワルシャワ国立博物館、オランダ・ドルトレヒト美術館から自筆の楽譜や手紙、油彩画、版画など約250点が集結する。

なかでも一番の見どころは、日本初公開となるショパン自筆の楽譜と手紙。楽譜は厳重に保管されているため、今回は日本にいながら間近で鑑賞できる稀有な機会となる。また手紙も、それ以外の文章を書き残していないショパンを知るためには貴重な資料だ。
また本展では、ショパンやその楽曲からインスピレーションを得て制作された現代の作品や、ショパンが育ったポーランドの風景や人々を描いた作品を紹介。そして21歳で渡ったパリでの成功や女流作家ジョルジュ・サンドとの悲恋などをを、サロンやオペラ座の様子、ロマン主義の絵画などから俯瞰する。

加えてショパンと交流のあった画家、アリ・シェフェールによる《フレデリク・ショパンの肖像》(1847)が日本初公開されるほか、明治期から第二次世界大戦までの日本でのショパン受容を示す書物や資料の展示など、盛りだくさんの内容となっている。
なお本展は兵庫県立美術館の後、久留米市美術館(2020年2月1日~3月22日)、練馬区立美術館(2020年4月~6月)、静岡市美術館(2020年8月~9月)に巡回予定。各展で、コンサートや講演会などの関連イベントも多数開催される。