阪神・淡路大震災からの「文化の復興」のシンボルとして、2002年に開館した兵庫県立美術館。世界的建築家・安藤忠雄による同館は西日本最大級の規模を誇り、様々な芸術の融合の場としての機能を果たしてきた。
そんな同館に5月23日、第2展示棟(Ando Gallery)が新しくオープンする。安藤忠雄建築研究所への依頼を経て実現した「Ando Gallery」では安藤の建築をはじめ、建築文化を広く紹介する展示が開催される。
常設展示では、安藤が復興のために行ったプロジェクトや、兵庫県の安藤建築を紹介。震災の記録スケッチから復興活動の記録、同館や「淡路夢舞台」の模型までを展示する。また「安藤忠雄の原点」として、《住吉の長屋》《光の教会》といった代表作や安藤の仕事場も模型で見ることができる。
いっぽう企画展示では、最新プロジェクトの数々を紹介。安藤が構想・設計を行い、大阪・中之島に2020年3月開館予定の「こども本の森 中之島」の模型などが展示される。そのほかにも屋外「海のデッキ」には、サムエル・ウルマンの詩「青春」をモチーフに安藤がデザインしたオブジェ《青りんご》が設置される。
無料で豊かな建築のアーカイブを見ることのできる「Ando Gallry」。兵庫県立美術館を足を運んだ際には、あわせて訪れてみたい。