身体や性別、セクシュアリティ、アイデンティティ、行動などに関連する問題における構造的暴力に注目した展覧会「パフォーミング社会:ジェンダーの暴力(PERFORMING SOCIETY: THE VIOLENCE OF GENDER)」が、2月16日に香港のアートセンターである「大館(タイクン)」でスタートした。
ドイツのフランクフルト現代美術館が企画した本展は、「構造的暴力」の概念を解明しながら、ジェンダーに対する暴力の性質を探るもの。董金玲、ジャナ・オイラー、アンネ・イムホフ、オリバー・ラリック、劉野夫、馬秋莎、ジュリア・フィリップス、パメラ・ローゼンクランツ、マリアンナ・シネット、ラファエラ・フォーゲル、黃炳といった11名の作家を紹介する。
構造的暴力とは、行為主体が不明確であり、間接的・潜在的にふりかかる暴力の形態のこと。日常的に存在する構造的暴力は、物理的な暴力と同じように人々の麻痺状態を起こす。身体やセクシュアリティ、アイデンティティなどを支配する暴力的な枠組みは、既存の権力構造や社会規範、文化的帰属、宗教的伝統、生物学的特徴などによって形成される。
本展のキュレーターでフランクフルト現代美術館館長のスザンヌ・プフェッファーは本展について、次のようにコメントしている。「本展の出展作家は、女性の根本的に否定された能力を取り戻し、異性愛を基盤とした家族制度への反論を展開します。作家たちは、ファンタジー、ユーモア、そして痛みを用いて、作品の限界を超えて様々なイメージを生み出すことを可能にします」。