2019.1.26

幻のコラージュ作家から落合陽一まで。今週末に見たい3つの展覧会

今週始まった展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介する。この機会をお見逃しなく。

「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」展示風景より
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幻想の作家のイメージの源泉。「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」(東京都庭園美術館)

展示風景より《夜間訪問》

 わずか7年間にフォトコラージュ作品を生み出したのち姿を消したため、知る人ぞ知る作家となった岡上淑子。そのイメージの源泉を探る展覧会が東京都庭園美術館で1月26日にスタートした。

 岡上は1928年高知県生まれ。日本でシュルレアリスムを主導した瀧口修造に見出され、マックス・エルンストの影響を受けてその表現は奥行きを広げていった。本展では、雑誌『LIFE』や『VOGUE』を素材とした岡上作品と結びつく50年代ファッションも紹介。ディオールやバレンシアガといったデザイナーの登場で百花繚乱の様相を呈した時代に制作されたドレスも参考展示される。

会期:2019年1月26日〜4月7日
会場:東京都庭園美術館 本館、新館ギャラリー1
住所:東京都港区白金台5-21-9
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(3月29日、30日、4月5日、6日 〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:第2・第4水(2月13日、27日、3月13日、27日)
料金:一般 900円 / 大学生 720円 / 中学・高校生 450円 / 65歳以上 450円 / 小学生以下無料

 

「平成の終わりに」がテーマ。「21st DOMANI・明日展」(国立新美術館)

川久保ジョイの展示室

 文化庁による新進作家育成プログラムで在外研修した日本人作家を紹介する大規模なグループ展「DOMANI・明日展」が、国立新美術館で1月21日に開幕した。

 21回目の今年は「平成の終わりに」をテーマに、研修を終えて比較的時間が浅い作家たちが参加。加藤翼、川久保ジョイ、木村悟之、志村信裕、白木麻子、蓮沼昌宏、松原慈、村山悟郎、和田的の9組が個展形式で作品を発表する。招待作家である三瀬夏之介が手がけた巨大なインスタレーションにも注目してほしい。

会期:2019年1月23日~3月3日
会場:国立新美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00)※入場は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:一般 1000円 / 大学生 500円 / 高校生・18歳未満無料(学生証または身分証が必要) ※2月24日は天皇陛下在位30年記念として入場無料

 

写真家としての落合陽一。「質量への憧憬 〜前計算機自然のパースペクティブ〜」(amana square)

展示風景

 メディア・アート作品の制作、実世界志向コンピューティングの研究、教育活動、書籍執筆など多岐にわたる活動を行う落合陽一。その写真家としての一面に迫る展覧会「質量への憧憬 ~前計算機自然のパースペクティブ~」が東京・天王洲のamana squareでオープンした。

 年間約2万点近くの写真を撮影するという落合自らがピックアップした、約2000点の写真が並ぶ会場。落合が今回のために撮り下ろしたシリーズ写真をはじめ、インスタレーションなどを通して、メディア・アーティストとしての落合が切り取る不可逆的な瞬間、視点、またその集合体としての風景が、落合独自のデジタル表現で展開される。

会期:2019年1月24日~2月6日
会場:amana square(session hall/IMA gallery/IMA cafe)
住所:東京都品川区東品川2-2-43 T33ビル1F
開館時間:11:00~21:00
休館日:会期中無休
料金:無料