2018.10.19

劇場全体がミュージアムに。「KAAT EXHIBITION 2018−潜像−」でさわひらきと島地保武がコラボレーション

演出家で俳優の白井晃が芸術監督を務めるKAAT 神奈川芸術劇場で、今年3回目となる「KAAT EXHIBITION」が開催される。劇場全体を使ったプログラムである本企画では、アーティスト・さわひらきとダンサー・振付家の島地保武がコラボレーション。展覧会と公演などを実施する。

さわひらき×島地保武 silts 2018
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 KAAT 神奈川芸術劇場の全体を使用し、展覧会やパフォーマンスなどを行う「KAAT EXHIBITION」。3回目の開催となる今年は、さわひらきと島地保武を迎え、「潜像」と題したプログラムを展開する。

 さわひらきは1977年石川県生まれのアーティスト。2003年ロンドン大学スレード校美術学部彫刻科修士課程修了。心象風景や記憶の中の感覚といった実体のない領域を、映像・立体・平面作品などで構成されたビデオインスタレーションで表現し、国際的に高い評価を得ている。

さわひらき Dwelling 2002

 いっぽうの島地保武は1978年長野県生まれのダンサー・振付演出家。Noismやザ・フォーサイス・カン パニーで活躍し、2013年に酒井はなとのユニ ット「Altneu」を結成。近年はNoism2『かさねのいろめ』(2015)や環 ROYと共作共演『ありか』(2016)、アレッシオ・シルベストリンとの共作共演『短い影』(2017)などを手がけており、現在はフランス国立シャイヨー劇場のレジデンスプログラム(ファブリック・シャ イヨー)でフランスで滞在制作を行っている。

左から島地保武、酒井はな

 本企画タイトルの「潜像」とは、現像液にひたす前の真っ白な印画紙に潜む見えないイメージのこと。

 このなかで、さわは個展として「潜像の語り手」を開催。同展では、近作の《Fish story》(2017)や、代表作《going places sitting down》(2004)などを含め、新旧の約10作品を展示。映像作品は複数チャンネルで形の異なるいくつかのスクリーン上に投影され、鑑賞者は空間を回遊しながら映像と触れあうことができるという。

さわひらき Fish Story 2017

 また、島地はさわの映像作品《silts》から着想したイメージや物語をもとに、Altneuによる新作ダンス作品を上演。映像と空間構成はさわが担当し、美術と身体表現が共存する作品となる。

 このほか、会期中には芸術監督・白井とさわのトークイベント、島地保武(ダンサー)×環ROY(ラッパー)×鎮座DOEPNESS(ラッパー)のパフォーマンス、俳優・神保悟志とモデル・はなによるリーディングパフォーマンスなど、様々なプログラムが展開される。

さわひらき×島地保武 silts 2018