現代美術を出発点に「石」の世界へ。
「石の想像界—アートとアーティファクトのはざまへ」がインターメディアテクで開催

現代美術作品と、東京大学所蔵の学術標本を組み合わせた実験的な展示「石の想像界―アートとアーティファクトのはざまへ」が、東京・丸の内のインターメディアテクで開催される。会期は9月26日〜2019年1月27日。

鉱物標本インスタレーション「石のインデックス」 東京大学総合研究博物館蔵 ©UMUT

 インターメディアテクは、2013年に商業ビル「KITTE」内に開館したミュージアム。日本郵便と東京大学総合研究博物館が協働で運営を行い、東京大学が1877年の開学以来蓄積してきた資料を常設で展示している。

 最近は、その歴史深い収蔵品と現代美術作品を組み合わせた展覧会も開催。昨年1月の「現代美術実験展示『パースペクティヴ(1)』」には、今井俊介、今津景、冨井大裕らも参加した。

シャルロット・モフ 思考する作業、作業する思考
Courtesy Galerie Marcelle Alix, Paris / Photography ©Charlotte Moth

 今回の「石の想像界―アートとアーティファクトのはざまへ」は、現代美術における「石」の存在が出発点。その機能と造形美をテーマに、約50点の作品と鉱物学・先史人類学・先史考古学など各分野の学術標本を組み合わせた、実験的な展示となっている。

 本展は、フランス人アーティスト、ユーグ・レプとの共同企画。アニエスベー・コレクションをはじめとする国内外の現代美術コレクション協力のもと、和泉正敏、ピエロ・ジラルディ、モナ・ハトゥム、ライアン・マッギンレー、ガブリエル・オロスコ、ジグマー・ポルケなどが参加する。

アブデルカデール・ベンチャマ 無題(石切り場にある石盤)
Courtesy Galerie du jour agnès b., Paris / Photography ©︎Rebecca Fanuele

 人間はいかに石という天然物を加工し、造形と機能を与え、人工物として生活に導入してきたのか。また、現代美術はどのように石というメディウムそのものを扱ってきたのか。本展ではその足跡を辿りながら、「石」をめぐる美学的な思考と作為を検証する。

編集部

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