大久保ありは1974年生まれ。2001年ロンドン芸術大学チェルシーカレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン修士課程修了。近年参加した主な展覧会に、「クリテリオム90 大久保あり『美術館の幽霊』」(水戸芸術館、2015)、「引込線2017」(所沢市旧給食センター)、「MERZ」 (HAGIWARA PROJECTS、東京、2017)などがある。
日々の生活や経験から導き出された「おはなし」を起点として、インスタレーションとして作品を展開させてきた大久保。表現メディアは、絵画、彫刻、写真、映像、パフォーマンスなどと多岐に渡り、ときには、鑑賞者を行為に巻き込むことで共犯関係を結ぶ。
アーティスト活動10年の集大成となる本展では、実在の骨董屋店主が買いつけてきた骨董品と作家自身が河原で拾った石を並置し、空間を構成。同一のキーワードでひもづけられた2種のファウンドオブジェクトの価値を算出すると同時に、文脈的意義の創出を問いかける。