甘美で妖艶かつ華やかな装飾性をもちながらも、死の気配をも感じさせる作風で知られるグスタフ・クリムト(1862〜1918)。そんなクリムトの没後100年を記念し、上野・東京都美術館と愛知・豊田市美術館にて「クリムト展 ウィーンと日本1900」が開催される。
展覧会では、初期のアカデミックな作品をはじめ、ウィーン分離派結成後の黄金様式の代表作を含む女性像の名品から、知られざる風景画まで様々な作品を紹介。日本で開催されたクリムト展としては過去最大規模となる、油彩画約20点が一堂に会する。
そのほかにも、ウィーン分離派会館を飾る全長34mにもおよぶ壁画《ベートーヴェン・フリーズ》(1901)の精巧な複製による再現展示や、同時代のウィーンで活動した画家の作品、そしてクリムトも影響を受けた日本の美術品なども展示予定だ。
なお、六本木・国立新美術館で2019年4月24日〜8月5日に開催される「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展もあわせて注目したい。同展は19年8月27日〜12月8日の会期で大阪・国立国際美術館に巡回予定だ。
クリムトやエゴン・シーレらが1918年に亡くなってから今年で100年が経過し、ウィーン市内ではウィーン世紀末展が相次ぎ開催中。そして来年はウィーン世紀末の優品を日本でまとめて見られる貴重な機会が訪れる。続報を楽しみに待ちたい。