リヒター、ウォーホルも。
大量消費へのアンチテーゼを含む
展覧会が示す新たな価値とは

東京・銀座のTHE CLUBが、ニューヨークを拠点に活動するアマンダ・シュミットをゲストキュレーターに迎え「Defacement」展を開催する。本展は、大量消費社会に反抗し、「破壊とは何を意味するのか」「そしてそこから新たな価値はどのようにして見出されていくのか」を、アートを通じて再考するもの。会期は7月14日〜8月31日。

ゲルハルト・リヒター 8. Juni 16(2) 2016 © Gerhard Richter Courtesy WAKO WORKS OF ART

 東京・銀座のTHE CLUBが、ニューヨークを拠点に活動するアマンダ・シュミットをゲストキュレーターに迎え「Defacement」展を開催する。シュミットは過去にMOBIUS フェローシップを受賞したほか、マイアミビーチとサンフランシスコで行われるアートフェア「Untitled」のプログラム開発ディレクターを務め、そのうちの「Untitled, Radio」「Untitled, Cinema」を担当。これまで40以上もの展覧会、映像上映、パフォーマンス・イベントを手がけてきた。

 アートを通じて、今日の現代社会が抱える問題を見つめなおし、力強いメッセージを発信し続けているシュミットは、2017年に『タイム』誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」の一人にも選ばれ、社会派若手キュレーターとして国際的に注目を浴びている。

 本展は、資本主義経済が引き起こした大量消費社会に反抗し、その後の芸術や社会理念に大きな影響を与えたアートグループ「シチュアシオニスト・インターナショナル」の理念を受け継ぐ美術家12名によるグループ展。

 展覧会タイトルである「Defacement」とは、「破壊」「汚す」などの行為や、何らかの介入によって新たな意味を加えたり、上書きすることで、その価値を再評価することを指す。

 その意味に基づき、「シチュアシオニスト・インターナショナル」のメンバーであった画家、ジャクリーン・デ・ヨング、量産されるシルクスクリーンを用いて価値の概念を疑問視したアンディ・ウォーホル、様々なスナップショット写真の上から油彩やエナメルで描いたゲルハルト・リヒターの作品群が展示される。

 大量生産・大量消費が繰り返される現代社会において、「破壊とは何を意味するのか」「そしてそこから新たな価値はどのようにして見出されていくのか」を、鑑賞者とともにアートで再考することを狙う。

編集部

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