2018.7.22

没後30年を迎える小貫政之助の個展が武蔵野市立吉祥寺美術館で開催。抑えた色彩で描かれた世界の全貌に迫る

昭和に活動した洋画家・小貫政之助が没後30年を迎え、個展「没後30年・小貫政之助 語りえぬ言葉」が東京・武蔵野市立吉祥寺美術館で開催される。会期は8月11日〜9月23日。

小貫政之助 幕の前 制作年不詳 個人蔵
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 小貫政之助は1925年、旧東京市京橋区生まれ。41年太平洋美術学校に入学。以後、彫刻や洋画、版画を発表し、53年には瀧口修造の推薦によりタケミヤ画廊で個展を開くなどして注目を集める。

小貫政之助 風景 1954 個人蔵

 56年には自由美術家協会会員となり、退会前年の67年まで出品。68年以降は団体に所属せず、福生のアトリエで制作に没頭した。フォルム画廊での個展を中心に作品を発表し、72年にはフジテレビギャラリーで個展を開催。88年に亡くなるまで精力的に活動を行った。

 そんな小貫の個展「没後30年・小貫政之助 語りえぬ言葉」が東京・武蔵野市立吉祥寺美術館で開催される。

小貫政之助 鳥と女 1960代 個人蔵

 限られた場でしか作品を発表しなかったこともあり、これまで小貫の幅広い取り組みを一覧できる機会はなかった。本展は、そんな小貫の作品を展望できる展覧会だ。初公開となる素描やスケッチ、文芸雑誌の挿絵原画などを含めた約100点によって、その画業を振り返る貴重な機会となるだろう。