NYで制作した新作「レディメイド」彫刻を公開、冨井大裕が個展

既製品を素材に彫刻を制作する冨井大裕の個展「像を結ぶ」が、Yumiko Chiba Associates(東京・新宿)で3月11日まで開催されている。

冨井大裕 PP_FS #11 2015 紙袋 ©Motohiro Tomii Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 1973年新潟県出身の冨井大裕は、レディメイド(既製品)を素材に彫刻作品を制作。素材そのものが備えている機能や条件、存在の意味を、まったく異なる存在として提示している。

 制作という行為のなかで、素材からすべての意味を剥ぎ取り、物理的な要素のみで作品を構成することによって、物語性やイメージ性、かたちに依拠することのなく、真の意味で自立した作品を生み出そうとしている冨井。「彫刻」の新たな可能性を探求するその姿勢は、twitterで毎日更新されるレディメイドを撮影した「今日の彫刻」シリーズや、複数の素材を結合させた彫刻のシリーズ、印刷物を用いた代表的な作品からもうかがえる。

 2015年には、アメリカ・ニューヨークに文化庁在外派遣研修員として1年間滞在し、「彫刻とは何か」という問いにあらためて向き合ったという冨井。帰国後初の個展となる本展では、ニューヨークで制作した紙袋、ビニール袋、封筒といった紙や包装を用いた新作を発表。なお、インターメディアテク(東京・丸の内)で3月26日まで開催中の、グループ展「Perspectives 01 パースペクティヴ 現代美術実験展示」にも参加している。

編集部

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