2018.4.20

絵画が見せる「自然」とは?
日・米・独から3名のペインターが
集まる展覧会が開催

ミニマルな絵画を追求するフランシス真悟、ペインターとしての活動に加え、社会的なプロジェクトにも取り組むクリスチャン・アヴァ、アメリカで独自の抽象画を展開したサム・フランシスの3人展がセゾン現代美術館にて開催される。会期は4月21日〜9月2日。

フランシス真悟 Bound for Eternity(red) 2008 © Shingo Francis
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 日米を拠点に国際的に活躍するフランシス真悟、日本の美術館では初の展示となるベルリンの作家、クリスチャン・アヴァ、そして20世紀を代表するアメリカの抽象画家、サム・フランシスの作品が集まる三人展が開催される。

 フランシス真悟は1969年カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。自然への畏敬の念から地平線や光をモチーフに、自然の持つ深淵さと本質をミニマルなペインティングによって表現する。

フランシス真悟 Untitled(interference) 2016-17 © Shingo Francis

 クリスチャン・アヴァは78年ドイツ・ベルリン生まれ、ベルリン芸術大学卒業。世界各地で個展を開催するなどアーティスト活動と並行し、現在複数の教育機関・大学で教鞭をとる。またドイツ本国では、中東・アフリカへ向けた教育や、人種および宗教的差別の廃止と衛生に焦点を当てた数々の社会的・文化的なプロジェクトに取り組んでいる。

クリスチャン・アヴァ reminiscence 2017 @ Christian Awe

 フランシス真悟の父であるアメリカの抽象画家、サム・フランシスは1923年カルフォルニア州サン・マテオ生まれ。43〜45年アメリカ空軍に勤務、墜落事故で入院治療中、絵を描き始める。ドリッピングによって画面全体を覆う白一色の作品から始まり、60年代前半には青を基調とする作風となり、その後多彩色の作風を展開。80年代に入り、ブラッシュ・ストロークとドリッピングを組み合わせた作品を制作した。本展では、セゾン現代美術館のコレクションからの出品となる。

 抽象と具象、絵画の内と外、鑑賞者と対象物の境界を超えるような感覚を引き起こす3名の作品を体感したい。