《真珠の耳飾りの少女》(1665年頃)をはじめ、《牛乳を注ぐ女》(1660年頃)、《デルフト眺望》(1660〜61年頃)などの作品で広く知られるオランダの画家、ヨハネス・フェルメール(1632〜1675)。
1995〜96年にワシントン・ナショナル・ギャラリーで開かれた「フェルメール展」で世界的ブームに火がついたオランダ絵画の黄金期を代表するこの画家。日本では、2000年に初めて大阪市立美術館で「フェルメールとその時代展」が開催され、60万人の動員を記録した。以降、たびたびその名を冠した展覧会が開催され、その都度話題を集めてきた。
そんなフェルメールの日本史上最大規模となる展覧会が、18年10月から上野の森美術館で開催される。
本展では、現存するフェルメール作品全35点のうち8点が来日。これは、2008年に東京都美術館で開催され、93万人の来場者数を記録した「フェルメール展」の7点を超える数字だ。
所蔵者との交渉が最終段階にあるという本展。この日は、出品予定8点のうち、上述の《牛乳を注ぐ女》をはじめ、《マルタとマリアの家のキリスト》(1654〜56年頃)、《手紙を書く婦人と召使い》(1670〜71年頃)、そして日本初公開となる《ぶどう酒のグラス》(1661〜62年頃)の4点が明らかにされた。
総合監修はフェルメール研究の第一人者であるワシントン・ナショナル・ギャラリーのアーサー・K・ウィーロックJr.。日本側の監修は千足伸行(成城大学名誉教授・広島県立美術館長)が務める。
ウィーロックJr.は本展について、「フェルメールの傑作がこれほどまでに一度に集められることは滅多にありません。本展覧会で展示される作品は、キャリアの全段階から選ばれており、彼の芸術表現の幅広さを示します」とコメント。 本展では、フェルメールの他にオランダ黄金期を代表する画家、ハブリエル・メツー、ピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンなどの作品約40点も展示する。
また、美術展では適用されることが少ない「日時指定入場制」を導入。大型展につきものの入場待ち時間解消を狙う。
なお、大阪展では同展でしか展示されないフェルメール作品の出品も予定されているという。