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それでも壊す? 丹下健三の名作「旧香川県立体育館」保存計画の行方はいかに【2/3ページ】

民間による買い取りで目指す新たな活用法

 その具体案とは、「民間が全額自己資金で耐震改修・保存を行い、宿泊施設等として利活用すること」、そして「土地を香川県から購入し、建物を無償譲渡または低額譲渡で取得すること」だ。

 ハード面については、現在の構造的・意匠的価値を残しつつ、必要な耐震改修は実施。その金額も、2014年当時の見積もりである18億円から、現在では約半額〜3分の1程度に圧縮できるという。

内部の様子

 またソフト面については、宿泊機能と大規模なブックラウンジを組み合わせた「ブックラウンジホテル」案が有力であり、年間約1億円の営業利益を見込む。初期投資額は30〜60億円と試算されるが、その出資者のメドもついたという。年間経済波及効果は3〜7億円と試算しており、アートの島「直島」への玄関口である高松においては、インバウンドを含めた多くの利用が見込める。

家具は剣持勇によるデザイン