ニューヨーク最大のアートフェア、アーモリー・ショーが9月6日から8日にかけてジャヴィッツ・センターで開催された。昨年7月、同フェアは、母体であったボルナド・リアルティ・トラストから、フリーズ・アートフェアを運営するエンデバー社に売却され、フェアの趣向にどのような変化が生じるのか注目されていた。さらに今年は30周年という大きな節目ともなっていた。
アーモリー・ショーの歴史
アーモリー・ショーの前身は、1994年に創設された「グラマシー国際アートフェア」(以下、グラマシー)だった。コリン・デ・ランド、パット・ハーン、マシュー・マークス、ポール・モリスという4人のアートディーラーが立ち上げたもので、名前は会場になったグラマシー・パーク・ホテルに由来する。低予算で小規模な「美術界の下層向けフェア」が当初のコンセプトで、客室を展示ブース兼宿泊場所として活用し、出展コストを抑える工夫がなされた。