2021.6.11

ファッション・イン・ジャパンから『キングダム』の展覧会まで。今週末に見たい展覧会ベスト3

今週スタートした展覧会と終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。なお緊急事態宣言のため、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会」展示風景より
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日本ファッション史を社会とともに紐解く。「ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会」(国立新美術館)

「ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会」展示風景より

 東京・六本木の国立新美術館で、日本のファッション史の変遷を75年という長いスパンでたどる大回顧展「ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会」が開幕した。

 戦前から現在、そしてこれからの展望まで、衣服やアイデアを創造するデザイナーと、衣服を着用する消費者の双方からとらえようとする本展。つねに社会との関係のうえに成り立ってきた服飾のダイナミズムを、実際の衣服のみならず、各時代のメディア等も参照しつつ紐解くことを試みている。

 生活に欠かせないものでありながら、同時につくり手や着る者の表現の手段でもある衣服。メディアや世相と複雑に絡み合いながら連綿と続いてきたその日本における潮流を一挙にとらえる、意欲的な展覧会だ。

会期:2021年6月9日~9月6日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00
※入場は閉館の30分前まで。開館時間は変更になる場合あり
休館日:火
料金:一般 1700円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料
※事前予約制(日時指定券)。詳細は展覧会ホームページ

《爆撃の記録》 を特別展示。藤井光「爆撃の記録」(原爆の図 丸木美術館)

「藤井光 爆撃の記録」展示風景より Photo by Ali Uchida

 映像作家・アーティスト、藤井光(ふじい・ひかる)の作品《爆撃の記録》の特別展示が埼玉・東松山市の「原爆の図 丸木美術館」で開催中だ。

 藤井は1976年東京都生まれ。パリ第8大学美学・芸術第三博士課程DEA修了。過去と現代を創造的につなぎ、歴史や社会の不可視な領域を批評するインスタレーション作品を発表。作品制作を通して、映像のアーカイヴや資料を着想点に戦争や災害をはじめとする歴史の出来事を調査し、その土地に生きる人々と対話を重ねながら、人々がいまなお向き合い続けている課題に対し、新たな視点や展望を提示している。

 《爆撃の記録》は、東京大空襲と戦争記録の継承ために計画された東京都平和祈念館が、歴史認識をめぐる意見の相違から設立に至っていない問題に焦点を当てた作品。2016年に東京都現代美術館の「MOTアニュアル 2016 キセイノセイキ」展で初めて公開された。この《爆撃の記録》を特別企画として展示する貴重な機会となっている。

会期:2021年5月1日~6月13日
会場:原爆の図 丸木美術館
住所:埼玉県東松山市下唐子1401
電話番号:049-322-3266
開館時間:9:00〜17:00
休館日:月曜日
料金:一般 900円 / 60歳以上 600円 / 中高生・18歳未満 600円 / 小学生 400円

人気マンガの原画が一堂に。「キングダム展 -信-」(上野の森美術館)

キングダム展 ビジュアル (C)原泰久/集英社

 春秋戦国時代の中国を舞台に、天下の大将軍を夢見る下僕出身の少年・信(しん)と、中華統一を目指す若き王・嬴政(えいせい)の成長と活躍を描いた原泰久による大人気マンガ『キングダム』。

 連載開始から15年目を迎えるタイミングで開催される本展は、第1話「無名の少年」から第438話「雄飛の刻」までのストーリーで構成。原泰久直筆の原画や描きおろしのイラストが多数展示される。

 サブタイトルを「信」とした本展では、仲間や敵との出会い、そして別れを糧に成長を遂げる主人公・信にフォーカス。著者が信に込めた想いが原画とともに表現される。信の歩んだ道をたどりながら、作品が持つ圧倒的な迫力と感動を体感したい。

会期:2021年6月12日~7月25日
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
電話:050-5541-8600(全日9:00〜20:00)
開館時間: 10:00~20:00(最終入館は閉館の1時間前まで)※全日日時指定制
休館日:会期中無休
料金:一般2500円 / 大学生・専門学生 2000円 / 小中高生 800円