デイヴィッド・ホックニー(https://www.hockney.com/home)
イギリスの現代美術を代表するアーティスト、デイヴィッド・ホックニー。1960年代に拠点をアメリカ・ロサンゼルスに移り、現在はイギリス・ロンドンやブリドリントン、ロサンゼルスなどを拠点に制作を行っている。その作品には、アメリカ西海岸の明るい陽光を感じさせるプールのある邸宅や室内風景、友人、そしてイギリスの田園風景などのモチーフが数多く描かれている。
2018年には、その代表作《芸術家の肖像画―プールと2人の人物―》がオークションで約102億円で落札され、現存アーティストとしては当時の過去最高額を記録。現在でも、絵画系現存アーティストのオークションにおける過去最高額の記録を保持している。
そんなホックニーのウェブサイトでは、「ダブル・ポートレート」シリーズをはじめとする絵画の代表作や、数十枚のスナップ写真を貼り合わせたフォト・コラージュ作品、近年iPadを用いて手がけたデジタル・ドローイング、そしてスケッチ、舞台芸術、映像作品などが紹介。60年以上にわたってホックニーの制作スタイルの変遷を垣間見ることができる。
アンドレアス・グルスキー(https://www.andreasgursky.com/en)
ドイツ・ライプツィヒ出身の写真家、アンドレアス・グルスキー。デュッセルドルフ美術アカデミーにてベッヒャー夫妻に学び、トーマス・ルフやカンディダ・ヘーファーとともにベッヒャー派を代表する写真家のひとりだ。
グルスキーのウェブサイトでは、90年代の初期作品から、最新作までが公開されている。画像データは拡大をすることも可能で、例えば自転車競技レースの「ツール・ド・フランス」の様子を遠景で撮影した《Tour de France》(2007)の画像は、拡大することで競技者や道端に並ぶ観客の様子までも確認できる。
さらに90年代を中心としたグルスキーの展覧会ポスターもPDFで無料ダウンロード可能。印刷して部屋に飾ったり、PCのデスクトップやスマートフォンのホーム画面にしても楽しめそうだ。
ゲルハルト・リヒター(https://www.gerhard-richter.com/en/)
「ドイツ最高峰の画家」とも呼ばれており、現在、世界でもっとも注目を集める画家のひとりであるゲルハルト・リヒター。芸術大学在学中、西ドイツを旅行して抽象表現主義に強い影響を受け61年、ベルリンの壁が建設される半年前にデュッセルドルフへ移住し、現在はケルンを拠点に活動している。
精密に模写した写真のイメージを微妙にぼかす「フォト・ペインティング」や、カラーチップを配列した幾何学的な絵画「カラーチャート」、グレイのみを用いた「グレイ・ペインティング」、また、鮮烈な色を組み合わせる「アブストラクト・ペインティング」や、スナップ写真の上に油彩やエナメルで描く「オーバー・ペインテッド・フォト」など、60年代から現在に至るまで多彩なシリーズを展開してきた。
そのウェブサイトにはこれらの作品シリーズはもちろん、リヒターの詳細な経歴や年表、これまでのインタビューなどでの発言、そして展覧会や作品の関連動画などのコンテンツも収録。リヒターの制作活動を多角的にチェックできる。
ソール・ライター(http://saulleiterfoundation.org/)
50年代からファッション・フォトグラファーとしてニューヨークの第一線で活躍したソール・ライター。58歳に自らのスタジオを閉鎖し、世間から姿を消したが、06年にはドイツのシュタイデル社から出版されたカラー作品の写真集『Early Color』が世界的な反響を呼び、17年と20年の2度にわたって渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催された回顧展も話題を集めた。
ソール・ライターは2013年に89歳でこの世を去ったが、その住処であり仕事場でもあったニューヨークのアパートには、膨大な作品や資料が未整理のまま残置。2014年に創設されたソール・ライター財団が、現在も「ソール・ライター作品の全アーカイブ化」に取り組んでる。
ソール・ライター財団のウェブサイトでは、そのアーカイブの一部を閲覧可能だ。代表的なモノクロやカラー写真のみならず、画家を志していたソール・ライターの絵画や写真にペイントした作品も楽しむことができ、その多彩な作風を知ることができる。
エゴン・シーレ(http://egonschieleonline.org/)
ウィーン世紀末美術を代表する画家、エゴン・シーレ。グスタフ・クリムトらのウィーン分離派や象徴派、表現主義に影響を受けて独自の画風を形成し、1918年にスペイン風邪によって28歳で逝去した。その没後100年に当たる2018年には、ウィーン、パリ、ニューヨークなど世界中の美術館で様々な記念展が行われた。
そんなシーレの画業を総覧できるのが、オンラインデータベース「egonschieleonline.org」だ。同サイトは、美術史家のジェーン・カリアによるによるシーレのカタログ・レゾネ、『Egon Schiele: The Complete Works』 (1990に刊行、98年に改訂)をもとにしたもの。現時点ではペインティング、素描、彫刻など419点におよぶ作品を掲載しており、なかには《ほおずきの実のある自画像》(1912)や《死と乙女》(1915)などシーレの代表作を見ることもできる。
また、サイトには作品画像のほか、その来歴、展覧会出品歴、そして関連作品も掲載。「夭折の天才」としていまなお高い人気を誇るシーレのレガシーを再確認する絶好の機会だ。