INSIGHT - 2018.10.9

Instagramでフォローすべきアーティスト5人(海外編②)

アーティストの最新動向を知るために、いま、まずチェックすべきはInstagramだろう。アーティストたちは何を考え、何を見て、どんな作品に取り組んでいるのか。作品の裏側を明かす画家から、日々を独自の視点で切り取る写真家まで、Instagramでフォローしたいアーティストをピックアップ。日本編に続く海外編は2回に分けてお届けする。

ルース・ファン・ビークのInstagramより

ルース・ファン・ビークのInstagramより

あの文学的絵画をInstagramでも
ヘルナン・バス(@hernanbas

ヘルナン・バスのInstagramより

 拠点であるアメリカ国内をはじめ、ヨーロッパやアジアなど国際的に活動を行っているヘルナン・バス。今年の冬に六本木のペロタン東京で日本初となる個展を開催し、さらに注目を集めた。

 19世紀デカダン派の作家であるオスカー・ワイルドやジョリス・カルル・ユイスマンスに影響を受けたバスは、大人へと移行する青年期を「ファッグ・リンボー(Fag linbo)」と称し、子供でも大人でもない若者の姿を、変態中の蝶や身を潜める蜘蛛として表現。象徴性や比喩に満ちた文学的な画題を、みずみずしい色彩で描いている。

 Instagramでも、その作品世界を存分に発揮。バス自身の展覧会風景のほか、親しき友人との楽しげな日常も垣間見ることができる。

ティルマンス作品の源泉に触れる
ヴォルフガング・ティルマンス(@wolfgang_tillmans

ヴォルフガング・ティルマンスのInstagramより

​ 世界的に絶大な支持を得ている写真家、ヴォルフガング・ティルマンス。印画紙に皺を付け、写真特有のメディア性を無くすことを試みた作品や、様々な社会問題を想起させるコラージュ的作品など、多種多様な活動を展開してきた。

 Instagramでは、独特の構図で撮影された日常風景のほか、活動拠点であるロンドンで起こったデモの様子や、関心のある文献の写真などを投稿。クールで洗練された作品で知られるティルマンスの、制作の源泉がうかがえる。

ワークインプログレスを惜しみなく公開
ダニエル・アーシャム(@danielarsham

ダニエル・アーシャムのInstagramより

 ダニエル・アーシャムは、これまでニューヨークの現代美術センターPS1やマイアミ近代美術館での展示のほか、アテネ・ビエンナーレなどの国際展にも参加してきた世界的アーティストだ。「Fictional Archeology」(フィクションとしての考古学)というコンセプトを軸に、立体、ペインティング、インスタレーション、パフォーマンスなど多岐にわたる表現活動で人々を魅了してきた。

 フォロワー37万人(2018年10月現在)を突破したInstagramでは、作品画像はもちろんのこと、ワークインプログレスや搬入の様子なども投稿。ストーリーも頻繁に更新されており、貴重な制作や展覧会の裏側をチェックすることができる。

奇妙な抽象美で魅了する
ルース・ファン・ビーク(@ruth_van_beek

ルース・ファン・ビークのInstagramより

​ ファッションブランド「マルニ」とのコラボレーションでも知られる、オランダ人アーティストのルース・ファン・ビーク。1950〜60年代、70年代に発行されたカタログや雑誌などから引用した写真を切り貼りしたり、隠したり、折りたたむなど、様々な工夫を凝らした遊び心のあるコラージュが人気だ。

 まるでひとつの展覧会のように洗練されたInstagramは、ポップでありながらも、どことなく毒を含んだ美しい作品世界が展開されている。

自然のきらめきをとらえる気鋭
コリー・ブラウン(@coleybrown123

コリー・ブラウンのInstagramより

 ロサンゼルスを拠点とするアメリカ人フォトグラファー、コリー・ブラウンをご存知だろうか。ブラウンは、約2年間にわたってライアン・マッギンレーのアシスタントを経験。マッギンレーとともに、アメリカやヨーロッパで継続的な旅をするなかで、見知らぬ土地の風景を撮り貯めてきたという。

 その蓄積は膨大であり、いずれも自然界からわずかに見出せる抽象美を示すもの。2011年にはアメリカの出版社「ゴッドランド・バーラグ」から自身初となる写真集が刊行されたものの、300部という少ない発行部数から瞬く間に入手困難に。その後、ブラウン自身が新たに立ち上げた出版レーベル「サイレント・サウンド」より、約3年ぶりとなるセカンドエディションを発表した。

 Instagramには、暗闇のなかでまばゆく光る植物や水面のきらめきを瞬間的にとらえた写真が並び、自然と静寂を愛するブラウンの眼差しをたどることができるだろう。