東京国立博物館
臨時休館に入ってからオンラインコンテンツに注力してきた東京国立博物館のYouTubeでは、研究員によるギャラリーツアーを公開。特集展示「おひなさまと日本の人形」「朝鮮王朝の宮廷文化」や、収蔵品の見方を紹介する。このほかにも「Google Arts & Culture」でのバーチャルツアーのほか、ウェブサイトでは塗り絵も公開されている。
国立西洋美術館
国立西洋美術館は、YouTubeで研究員による常設展のギャラリートークを公開。これらは2016年に撮影され、これまでGoogle Arts & Cultureで公開されてきたもの。クロード・モネ《睡蓮》やピーテル・ブリューゲル(子)《鳥罠のある冬景色》など、豊かなコレクションの解説を楽しむことができる。また開幕が延期となっている「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の特設ウェブサイトでは、主任研究員・同展監修者の川瀬佑介による全7章の解説動画を見ることができる。
国立科学博物館
4月24日に「かはくVR」を公開した国立科学博物館は、YouTubeでも動画を配信中。現在は企画展「ボタニカルアートで楽しむ日本の桜 -太田洋愛原画展-」の解説付き動画や、科博研究者による解説で科学に触れることのできる動画がアップされている。
東京都現代美術館
東京都現代美術館は、2月16日に閉幕した「MOTアニュアル2019」の展示風景に加え、関連イベントの記録映像をYouTubeで公開。鈴木ヒラクや大原大次郎らによる「ドローイング・オーケストラ」、吉増剛造×空間現代、鈴木ヒラク×鈴木昭男のパフォーマンス・セッションを見ることができる。また、オラファー・エリアソンによる昨年の講演会「アートをエコロジーの視点で見直すこと」のダイジェスト映像や、「手話による美術館の案内」にも注目したい。
東京都写真美術館
東京国立博物館に続き、東京都写真美術館も展示風景をいち早くYouTube上で公開。現在は、幕末明治期における関東地方の写真文化にフォーカスする「日本初期写真史関東編」の担当学芸員・三井圭司による解説の動画全7本と、編集者の林央子を監修に迎えた「写真とファッション」の展示風景を見ることができる。
横浜美術館
横浜美術館は現在、充実のオンラインコンテンツを発信中。YouTubeでは記念対談「澄川喜一×深井隆」や学芸員によるコレクション解説、「New Artist Picks」の出展作家・柵瀨茉莉子のインタビューが公開されているほか、ウェブサイトでレポートやインタビューも見ることができる。加えて「ヨコハマトリエンナーレ2020」のウェブサイトでも、テキストや事前イベントの映像が公開中だ。
森美術館
「未来と芸術展」が途中で閉幕となった森美術館のYouTubeでは、前館長・南條史生(現特別顧問)による同展トークツアーのインスタライブ配信のアーカイブや、ラーニングプログラムの記録映像を公開中。またFlickrでは「未来と芸術展」から過去の展覧会場風景、イベントのレポート写真まで約1500点のオフィシャル・フォトを見ることができる。
また、「MAMプロジェクト027:タラ・マダニ」会場内で、同展担当キュレーター・椿玲子(森美術館キュレーター)によるトークツアーの様子も配信されている。
三鷹の森ジブリ美術館
2月25日から臨時休館に入った三鷹の森ジブリ美術館は、4月にYouTubeチャンネルを開設。館内の様子をスタッフが動画で紹介する「休館中特別企画 動画日誌」をスタートした。
岐阜県美術館
ダンサー・森下真樹は岐阜県内でアーティスト・イン・レジデンスを行い、ソロ作品《ベートーヴェン 交響曲第5番『運命』を贈る》を岐阜県美術館で発表予定だったが、イベントは中止となったため、その様子が映像作品として公開されている(6月14日まで)。本作の振り付けを担当したのはMIKIKO、森山未來、石川直樹、笠井叡の4名。展示室を舞台に繰り広げられる身体表現に注目したい。
福岡市美術館
福岡市美術館は期間限定(〜5月7日)で、毎週木曜日に動画を配信。YouTubeでは、これまで美術館で開催されてきた講座の記録から「陶磁器講座」「仏教美術講座」などを見ることができる。加えてFacebookでは、毎週土曜日に学芸員による「おもしろキャプション」とともに収蔵品をひとつずつ紹介。
国立国際美術館
「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」展が延期となった国立国際美術館では、ヤン・ヴォーのインタビューをYouTubeで配信中。またFacebookでは、臨時休館にともない会期終了となった「インポッシブル・アーキテクチャー」展で開催できなかった、担当研究員によるギャラリートークを連載形式で読むことができる。
青森公立大学国際芸術センター青森
青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)では、碓井ゆい、遠藤薫、林介文による展覧会「いのちの裂け目ー布が描き出す近代、青森から」の開幕が延期。それにともなって出展作家によるトークとキュレータートークがYouTubeでライブ配信され、現在はそのアーカイブを見ることができる。
ポーラ美術館
箱根・ポーラ美術館の「シュルレアリスムと絵画展」は、4月3日に閉幕。YouTubeでは、サルバドール・ダリや福沢一郎など、それぞれのアーティストに焦点を当てた学芸員によるギャラリートークを見ることができる。
DIC川村記念美術館
DIC川村記念美術館では、さわひらき、杉戸洋、野口里佳、福田尚代、渡辺信子が参加する「ふたつのまどか―コレクション×5人の作家たち」展の開幕が延期。現在YouTubeでは、臨時休館にともない中止となったさわひらきのインタビューが公開されている。
熊本市現代美術館
熊本市現代美術館のYouTudeでは、「高浜寛のマンガに登場するアイテムで読み解く19世紀末(ベル・エポック)―『ニュクスの角灯』、『蝶のみちゆき』…展」を、出展作家のマンガ家・高浜寛とともに回るギャラリーツアーが公開。また開幕が延期となった「ライフ」展関連動画も見ることができる。
京都国立近代美術館
開幕が延期となった京都国立近代美術館の「チェコ・デザイン 100年の旅」展。YouTubeでは、実際に近隣の小学校に通う小学生の撮影による展覧会の紹介映像「子どもの目でみた展覧会」を公開している。
京都国立博物館
京都国立博物館からは、公式キャラクター「トラりん」のYouTubeチャンネルに注目。トラりんと職員による展示作品の紹介や、博物館の仕事を知ることのできる動画が順次公開予定となっている。
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加えて、半蔵門ミュージアム、埼玉県立近代美術館、清里フォトアートミュージアム、国立歴史民俗博物館、富山県美術館、滋賀県立近代美術館、福田美術館、広島市現代美術館などもYouTubeに展示風景を投稿。また、ドワンゴが提供する「ニコニコ美術館」でも、全国の美術館の展示会場を、専門家などによる解説とともに回る生放送番組を見ることができる。
子供向けのオンラインコンテンツとしては、北海道博物館を中心に全国57のミュージアムが参加する「おうちミュージアム」や、YouTubeでインタビュー動画「アーティストに聞いてみた」といったコンテンツを公開する、京都市と京都芸術センターの「おうちでアート」などがある。
ここで紹介した動画の再生リストは、美術手帖のYouTubeチャンネルからチェックしてほしい。