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冬休みは美術館へ。
年末年始も見られる展覧会をピックアップ

年末年始の休暇には美術館に行きたい、という人も少なくないだろう。ここでは首都圏を中心に、年始も開館している主要な美術館をピックアップして紹介。お出かけの参考にしてもらいたい。

「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」で展示されている新作の《教室》

 「眠らない街」六本木にある森美術館は、年末年始も無休で開館している。同館では現在、「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」を開催中。鑑賞者の常識に揺さぶりをかけるような体験をもたらす作品を多数生み出すエルリッヒ。参加型作品も多いので、家族や友人と来館するのも楽しみ方のひとつだ。

レアンドロ・エルリッヒ《建物》の展示風景

 森美術館と同じ六本木ヒルズ内・森アーツセンターギャラリーも、年末年始は無休。「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」で、村上隆や奈良美智、会田誠など現代美術を牽引するアーティスト28組が「ドラえもん」をテーマにした作品を発表。それぞれの「ドラえもん」が会場を埋め尽くしている。

 いっぽう、東京ミッドタウンのサントリー美術館は、12月30日〜1月1日の3日間をのぞき開館。20年ぶりとなる国立セーヴル陶磁美術館のコレクション展である「六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」で18世紀から現代まで、幅広い陶磁器表現に触れることができる。

 パンダブームに沸く上野では、東京国立博物館、国立西洋美術館、東京都美術館がそれぞれ1月2日から開館する。

 東京国立博物館では、毎年恒例の「博物館に初もうで」として多数のイベントを実施。国宝の《釈迦金棺出現図》や重要文化財の《鳥獣戯画断簡》が特別公開されるほか、2018年の干支にちなみ、「戌(いぬ)」をテーマとした作品を展示。また、黒田記念館では、黒田清輝の代表作である《智・感・情》《読書》《湖畔》《舞妓》の4作品を特別公開する。

 国立西洋美術館では、浮世絵師・葛飾北斎と西洋芸術との出会いから「ジャポニスム」を読み解く世界初の展覧会「北斎とジャポニスム」が、東京都美術館ではフィンセント・ファン・ゴッホと日本の相互関係を探る「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」がそれぞれ開催。共に「西洋美術に日本美術が与えた影響」をテーマにしているので、あわせて観覧するのがおすすめだ。

 

「北斎とジャポニスム」展会場風景より。左から葛飾北斎《牡に蝶》、クロード・モネ《黄色いアイリス》、フィンセント・ファン・ゴッホ《ばら》

 東京の玄関口・東京駅にある「東京ステーションギャラリー」も1月2日から開館(年内は12月28日まで)。同館初となるコレクション展「鉄道絵画発→ピカソ行 コレクションのドア、ひらきます」で、旅にも関連する鉄道関連の作品など、40年の歴史の中で積み重ねられてきた所蔵品の数々を堪能できる。

 東京駅からほど近い、丸の内の三菱一号館美術館も2日から開館(年内は12月28日まで)し、「パリ・グラフィック―ロートレックとアートになった版画・ポスター展」を開催。多様な芸術運動が勃興した19世紀末のパリを映したグラフィック・アートを楽しみたい。

東京ステーションギャラリー「鉄道絵画発→ピカソ行 コレクションのドア、ひらきます」展示風景

 恵比寿のTOP MUSEUMは、例年通り1月2日から開館(年内は12月28日まで)。2階ロビーでは「とっぷ雅楽」(1月2日、3日)として雅楽の演奏が行われるほか、ミュージアム・ショップ「ナディッフバイテン」では30個限定で福袋も販売される。また、2日は「TOP Collection アジェのインスピレーション」と「無垢と経験の写真日本の新進作家 vol. 14」が無料で観覧できる。

 竹橋の東京国立近代美術館も1月2日からオープンする(年内は12月27日まで)。同館では、身近なものを明るい色彩と単純化されたかたちで描く作風で知られる画家・熊谷守一の没後40年を記念した大回顧展「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」を開催中。

「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」展示風景

 また地方では、「荒木経惟 私、写真。」を開催中の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が元旦から開館するほか、「遠くからでも見える人ー森北伸展  絵画と彫刻」を開催中の十和田市現代美術館や、「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」を開催中の金沢21世紀美術館などが2日から開館する。

 このほかにも年始から開館する美術館は多数あるので、それぞれ帰省先・旅先の美術館情報などをチェックしてほしい。

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