バスキア展　メイド・イン・ジャパン

　わずか10年の活動期間に、膨大な数のドローイングと絵画作品を残した夭折の画家、ジャン=ミシェル・バスキア（1960〜88）。その短い人生を物語るかのように、作品は強烈なエネルギーにあふれ、20世紀のモダニズム美術の流れを踏まえながら、ジャズやヒップホップ、アフリカの民俗や人種問題などの主題を扱った。また生前、たびたび日本を訪れて6の個展と10のグループ展を開催。バブル景気にあった80年代日本の世相を反映したモチーフや、ひらがなを作品に取り入れた。

　アートにとどまらず、ファッションやカルチャーと広範囲に影響を与え続けるバスキア。近年では欧米の著名な美術館で相次いで展覧会が開催されるなど、20世紀美術最大の巨匠のひとりとして確固たる地位を占めている。

　本展は、世界各地から集めた絵画やドローイング約130点が揃う、バスキアの日本初となる大規模展覧会。バスキア研究の世界的権威ディーター・ブッフハートのキュレーションにより、「MADE IN JAPAN」をテーマに、日本の歴史や文化がバスキアの創作に及ぼした知られざる影響を明らかにする。