EXHIBITIONS

マティルド・ドゥニーズ「Time and Light」

2026.03.24 - 06.27

Mathilde Denize "Contours"(2026) Acrylic and watercolor on canvas, pigments 130 × 162 cm
Photo by Tanguy Beurdeley Courtesy of the artist and Perrotin

 ペロタン東京で、マティルド・ドゥニーズによる個展「Time and Light」が開催されている。

 マティルド・ドゥニーズは1986年フランス・サルセル生まれ。パリを拠点に活動している。絵画やインスタレーション、彫刻的構成からパフォーマンスや映像まで多岐にわたる表現を展開し、断片化された現代の情景から新たな意味を紡ぎ出す実践を行ってきた。自身の過去の絵画や見つけ出した素材を組み合わせ、新たな形へと変容させる制作を特徴とする。また、「身体」を表現の重要な媒体として扱い、絵画と彫刻が対話するような作品を制作している。

 本展では、新作「Contours」シリーズを中心に展示。ドゥニーズは、一見断片的で互いに異質にも見える諸形式のあいだに潜在する連続性を見出し、それらを編み直す実践を発展させている。

 これまでの作品では、廃棄された日常的オブジェクトや過去に制作した絵画を素材として取り込み、切断、解体、配列、縫い合わせることで「再生」を試みてきた。本展では、ファウンデッド・オブジェクトの取り込みではなく、絵画そのものにより近い位置にとどまる作品へと移行し、絵画的フィールドの内部における操作に焦点を当てる。

 「Contours」シリーズでは、タブローという絵画の伝統的形式へと回帰しながら、複数の時間と関係性が折り重なる場として絵画を提示。映画のセットや広告制作の現場で廃棄された塗料を用いた色彩は、感覚的な効果にとどまらず、関係性と運動を生み出す構造として配置される。

 また、今回の展示では、色彩と形態によってリズムを生み出す絵画群を通して、視覚的言語と音楽的構造の関係にも着目する。色彩と形態は固定された意味を担うのではなく、自律的に関係を結びながら、時間、光、空間と交わり合うものとして提示される。