EXHIBITIONS

竹林玲香「A petal falling」

竹林玲香 Beyond the window 2026 キャンバスにアクリル、油彩 190 × 150 cm
©Reika Takebayashi. Courtesy of Taka Ishii Gallery 撮影:髙橋健治

 タカ・イシイギャラリー 六本木で、竹林玲香による個展「A petal falling」が開催されている。

 竹林玲香は1998年大阪府生まれ。京都府在住。2020年に京都造形芸術大学美術工芸学科油画コースを卒業、22年に京都市立芸術大学大学院修士課程油画専攻を修了している。主な個展に「When we see invisible sea」(Public Gallery、ロンドン、2025)、「You should care more about butterflies」(タカ・イシイギャラリー 前橋、2024)などがある。

 本展は、タカ・イシイギャラリーでは2回目の個展として開催され、ペインティング作品5点を含む最新作を展示している。

 竹林は、自らが体験した風景を視覚表現として再び立ち上げる試みに取り組んできた。京都の自然観察を出発点に、海外での旅や長期滞在を通じて現地の生活や歴史に触れた経験をもとに、具象と抽象を織り交ぜながら画面上に定着させることに着目する。

 作品では、地衣類や苔類の繁殖形態、砂礫の生成構造など、土地に固有の構成要素をミクロの視点で捉え、質感とともに表現する。絵筆のストロークによって薄く溶かれた絵具を重ね、場の空気感を包み込むように画面に揺らぎを与える点や、色彩が作家の印象をつなぎとめる手掛かりとして作用する点に注目する。

 また、移ろいゆく自然現象や時間の流れへの関心を背景に、レイヤーを重ねる制作過程そのものが時間の積層を示すことを提示する。

 加えて、今回の展示では、水性樹脂を使用した作品も発表。立体的な痕跡をもつ型をベースに成形されたこれらの作品は、石膏に類似したテクスチャーを持ち、素材の硬化過程における作家の実践を示す。